『よう、終わったな』
「おつかれさん」
『お前がそれを言うか?
キュートカカオ最終日に6000Gで売りつけようとしたくせに。』
「いやあ…最終日はもう余りまくるのは分かっていたからな。
お前さんみたいに前しか見てないような奴とかがひっかかってくれたらなーと。」
『うるせえそんなもん誰がひっかかるか。それよりも…』
「なんだ?」
『像8個集めたら願いが叶う(※1)とか言ってたが何も起こらんぞ?』
「…お前なんでそっちには引っかかるんだよ。」
『騙したのか?』
「すまない、専用の台座用意して蝋燭おっ立てて夜中に祈ると叶うから心配すんな。」
『いやあんたさっき引っかかるって言ったじゃねーか』
「悪い悪い、お前の青神崇拝っぷりをみてつい、な。」
『さりげなく字を変えてんじゃねえ。俺が狂信者かなんかみたいじゃねーか。』
「そこは普通気づかない所…まあ、いい。
4日目のお前の絶望っぷりったらなかったな。
さりげなーくキュートを集めようとしてたところにまさかの2個目だ。
毎日手に入るとは…災難だったな。」
『1個でも飾るのに悩んでたところにすぐさま2個目だからな。
また最初から依頼受けて誰でも3個までしか手に入らないと思っていたんだが…。』
「所謂、愛が重い事件(※2)って奴だな。」
『勝手に変な名前つけてんじゃねえ』
「実際重かったじゃあないか。趣味をバラせないタイプの奴にとっては。」
『結局一部にはバレたよちくしょう…』
「ご愁傷様…だが、お前の趣味的には逆に良かったんじゃないのか?ん?ハーレm」
『それ以上言ったら依頼書にお前の名前を書いてバラまくからな(※3)』
「そんな事が出来たら今頃大騒ぎだ馬鹿野郎」
「それにしても結果は残念だったな」
『ああ、でも大健闘とも言えるな。全部つぎ込んだ甲斐はあった』
「流石パッケージに出ている人間は知名度が違うな」
『パッケ…なんだって?』
「こっちの話だ、気にするな。ともかく結果としては当然だろう。」
『なんだ、ミシュア推し(※4)か?』
「悪いか?」
『てか、あんた投票してたのかよ』
「福引券も手に入るしな。やるだろ?」
『で、福引の結果は?』
「久々にドンペリ(※5)飲むか?」
『だろうと思った…』
『邪魔したな、そろそろ行くよ。あんたもそろそろまっとうな商売に戻れよな』
「余計なお世話だ。ああ、それと今更意味の無いことだが…」
『今更て…なんだ?』
「実は[ハッピバレンタイン]でも入れる」
『すごくどうでもいい』
カカオ取引はたぶん一年休業致します。
(※1)願いが叶う
7個なんじゃね?ドラゴンなんとか的に。
あと同じ像8つ集めて夜中に蝋燭の明かりで儀式とか
通報モノですのでご注意下さい。
(※2)愛が重い事件
バレンタインイベント4日目にして、
同じ候補者に入れ続けると、すぐさま2個目が手に入ることが判明した。
よって、同一候補者に入れ続けることはすなわち
同一像を集めまくっている熱烈な人とも取られかねない状況だった。
投票=愛を注ぐということが
いかに物理(像)的にも精神(世間体)的にも重いかを知らしめた事件と言える。
一方、マリーン派の人々は重さに耐えうる強さを持っていたため、
天地の構えでこれを受け入れたと言う。
…って話が出てきたのもある人間の憶測っつーか脳内の話だったりするので、
ぶっちゃけそんな事件ねーだろ、ふつうにかんがえて。
マリーン×8か…家が熱くなるな。
(※3)依頼書に名前かいてバラまく
依頼人の欄に書いても、討伐対象の欄に書いても、「報酬の欄に書いても」、地獄。
そのうち広場で「こいつ討伐対象にできませんか?」とかいう提案がでそうで怖い。
殺伐である。
あと私を討伐対象にしたらくさったピザとペプシコーラ送るんでよろしく。
(※4)ミシュア推し
実は3日目の時点でブレた。
でも、一人に投票し続けた方がカッコいいかなとおもってカッコつけてみた。
今考えるとアホである。ていうか全くカッコいくない。
(※5)ドンペリ
今はなき魔法の迷宮産魔法の聖水のことを指す。
現在は福引券と引き換えにしか手に入らない。
魔法の迷宮産の奴が当たりのドンペリだ!
そいつを飲んでいるのが真の冒険者だ!
と、私が言いふらしているらしい。
という嘘を10秒で考えてやめた。