昔、ある村に、とても可愛らしい女の子がおりました。
おばあさんが作ってくれた小さな赤い頭巾がとてもよく似合い、
弓スキルを150振っていたので、女の子は赤ずきん、
またはレッドアーチャーLV85と呼ばれておりました。
ある日、おかあさんは赤ずきんを呼んで言いました。
893 おばあちゃんに迫る黒い影
隣村のおばあちゃんをお見舞いに行くように頼まれた。
初回ほうしゅう
・カムシカせんべえ×10
クエストを依頼されました。
このクエストを受けますか?
うける
▶︎やめる
初回ほうしゅう
・ガレット
・バターのつぼ
クエストを依頼されました。
このクエストを受けますか?
▶︎うける
やめる
赤ずきんちゃんは隣村のおばあさんのところに、お見舞いに出掛けました。
森を通りぬけようとしたとき、赤ずきんちゃんは
この辺りに住む狼(さんぞくウルフ)にエンカウントしました。
狼は赤ずきんちゃんをとても食べたくなったのですが、
森には赤ずきんちゃんのフレンドが
ドワーフ限定イベントを開催していたので手が出せません。
狼は、どこに行くのかと赤ずきんちゃんに尋ねました。
赤ずきんちゃんは面倒臭そうにこう答えました。
「おばあちゃんのお見舞いクエストよ」
「おばあちゃんって、遠くにお住まいかい」と、狼は尋ねました。
「ええ、そうよ。ここからまっすぐだけど、
ドルボードでも15分はかかる距離の村にいるわ。
村に入って最初に見える家が、おばあちゃんの家なの」
と、赤ずきんちゃんは言いました。
狼は赤ずきんちゃんを足止めしようとします。
「なるほど。かなり遠いようだ。
ならついでにキラキラを拾っていってはどうかな?」
「この辺のキラキラにはいいものはなかったはずだけど…」
「最近また変わったんだよ。告知を見なかったかい?
曖昧な表現で隠してたけど、ここは今や穴場のスポットなのさ」
「そうなの。なら少し拾って行くことにするわ」
勿論大嘘でした。
狼は村への道を全速力で駆けて行きましたが、
赤ずきんちゃんは40個拾い集めるまでキラキラを拾い続けます。
その間に、狼は速やかにおばあさんの家に着きました。戸を叩きます。
「どなた?」
「孫の赤ずきんよ」
狼は名前欄を改造し、白チャで誤魔化しました。
「お見舞いに来たの。開けてちょうだい」
おばあさんは、ベッドの中から声をはりあげて言いました。
「今ベッドから出られないの。制限はかけてないから入っておいで」
狼は戸を開けるとおばあさんに飛びかかり、
あっと言う間に食べてしまいました。
その後で戸を閉めると、狼はおばあさんのベッドに横になって、
赤ずきんちゃんを待ちました。
しばらくすると、赤ずきんちゃんがやってきて戸を叩きました。
「どなた?」
狼はまたも名前欄を改造し、白チャで言いました。
「孫の赤ずきんよ。お見舞いに来たの」
狼はベッドの中から言いました。
「今ベッドから出られないの。制限はかけてないから入っておいで」
赤ずきんちゃんが中に入ってきました。
狼は毛布の下に隠れたまま言いました。
「お見舞いの品は、そこのテーブルの上に置いておくれ。
それから、こっちに来ておくれ」
「おばあちゃん、何故大きな腕をしてるの?」
「それはフルパッシブのせいさ」
「おばあちゃん、何故大きな足をしてるの?」
「それは、相撲に負けないせいさ」
あかずきんはダークネスショットが使えるようになった!
「おばあちゃん、何故大きな口をしてるの?」
「それは、お前を食べるためさ!」
レッドアーチャーLV85のダークネスショット!
さんぞくウルフに255のダメージ!
さんぞくウルフの光耐性が下がった!
「な、何故わかった…」
「ログアウトになったまま喋るな、馬鹿が」
「ロ、ログアウト表示にしてた可能性も…」
「見舞いアピールをするかまってちゃんがそんなことするわけないだろ」
「た、助けてくれ…」
「ところで、このゴミ素材の山を見てくれないか」
「それが何だと…あっ」
レッドアーチャーLV85のシャイニングボウ!
さんぞくウルフはしんでしまった!
めでたしめでたし。