魔塔に敵なし―――
僧4攻略を終えた私は増長していた。
いや、その時の私は増長しているなど微塵も感じてはいなかった。
限られた職業の性能を最大限活用し、運用することが出来れば
いかに同職4構成だろうと敵など魔塔にあらず、と本気で信じていた。
今この言葉を言い換えよう。
縛りプレイなんかちょー楽勝だしぃ、
壁だけ意識してれば勝てないはずなんかないしぃ、
てゆーかー、他でもいけるんじゃなーい?
増長である。
ナメプである。
「俺は最強なんだ」とかなんとか言って出てった人間が、
次のページには死んでるとかいうそういう悲しい類のアレである。
マジあり得ない。
本気で愚考するに存在し得ない。
しかしそんなことは露知らず。
書置きに「魔塔1階から行く人ご一緒しますよ」とか
行きたいよ、私行きたいよ(チラッ
みたいな雰囲気を出している私。
当然ながら食いつく人はいなかった。
基本的に誘われ型の人が多いのがネットゲームである。
待ってるよりも誘った方が早いというのは
カニとジャンケンしたらチョキが出てくるぐらい明らかなものであった。
だからチョーシぶっこいて人をあつめることにした。
「戦4とかで行きたい!」
とか言ったらなんかフレに
「楽勝なんじゃね?」
※本当に楽勝かは知りません。
と返されたので何かいいアイデアはないか…
とおもむろに出してみたのがパラディン4である。
なるほど、武器も僧侶に似ているし回復も使える。
何より我が崇拝する槍がメインである。使わざるを得ないだろう。
「スティック飽きた」
ああん!?
テメェ私がメインで使ってるスットコ愚弄してんじゃねえよぶっ殺すぞ!
そんな感じで物好きを集めてパラ4攻略が開始された…。
【1~4階】
なんと最初はホイミが使えない。
リホイミである。
まあそんなハンデはどうとでもなるかのように
我々は進んでいった。
…装備がなんか回復寄りである。
あ、あれ?槍装備したいんすけど…。
そんな装備はなかった。
槍を拾ったがどうみてもスティック向け。
どうやらスティックパラになるようだ。
まーいーか。
戦闘自体は楽勝である。言うまでもない。
ボスも全員が隔離できるので超楽勝である。
【6~9層】
地味である。
すげー地味である。
スティックスキルは回復魔力MP増強・キラポンがメインであるため、
正直言えば魔塔で優先してあげるスキルではない。
ボスも厄介な状態異常は少な目であるため、
使いどころがあまりないのである…。
というわけで当面ははくあいスキルをあげつつ
ホイミとリホイミやってるだけである。
あー…連中突いてるよ。
突きまくってるよ。
私は守備力が最大だったので
におうだち覚えて使いながら戦っていた。
ブレス食らって死んだ。
使えねえ…。
そもにおうだちはパーティ全員のダメージを肩代わりすることから
「蘇生」など適切なバックアップがあることが前提である。
範囲攻撃を使ってくる相手に蘇生抜きで挑むのは無謀というほかない。
せめてブレス耐性とかがあればね。
ないよ、んなもん。
ボスは相変わらず楽勝である。
へヴィチャージ使えるしね。私がアゴ隔離して終りょ
…ああん!?てめぇなに通常してきてんだコルァ!?
ボスのアゴの通常攻撃はMP吸収攻撃である。
当然パラの少ないMPから6とかじょろじょろ奪っていくわけで…。
僧侶のときはメラミ多めだから大して気にしてなかったが、
吸収攻撃をされると実はひじょーにきつい。
対してこちらのMP吸収値は2である。追いつかない。
気が付いてみればアゴにザオラルを連打されたりして
結構苦戦していた。
聖水使わせるとか…ちくしょう。
後半へ続く。