―――1時間後―――
【シーン】
『くっそ…強いのはわかる。
凄い分かった…が、実践するまでいまいちピンとこない』
【ケビン】
「そればかりは経験するしかないな。
それで装備なんだが…これだ」
【シーン】
『これ、失敗品の騎神じゃねえか。
こんなのでやるのか?』
【ケビン】
「予算が足りなくてな。重要なのは守備力だ。
強いて言うならレーザー耐性も欲しい所なんだがな。
あれは現代の錬金技術でも再現不可能な代物だ。
そこは諦めて作戦で勝つ、というわけさ」
【シーン】
『妥協・ローコスト、で楽そうな作戦になりそう、ですか。
一時間前の本気がウソのようだぜ』
【ケビン】
「現実は最新鋭の装備を提供してはくれんよ。
ある中でベストを尽くすしかない。
それこそ腕の見せ所だし、俺達はいつもそうしてきた。
そうだろ?」
【シーン】
『通りのいい言葉を使うじゃないか。
間違ってはないけどな。』
【ケビン】
「ちゃんと転びガードぐらいはつけてやるさ。
ほかに必要なのはそれぐらいだからな。
重要なのはコイツにくっつける機能のほうでな。」
【シーン】
『ああ、パラディンガードエネルギー効率上昇に、
連続稼働率上昇だったか?イカサマ臭い機能だな』
【ケビン】
「だがバカには出来ん。
数パーセントの確率で発動するようになるし
少しはガードの展開時間も伸びる。」
【シーン】
『す…数?数十、じゃなくて、か?』
【ケビン】
「何を言ってるんだ。
今までは1%がせいぜいだったし連続稼働にも耐えなかったんだ。
それが連続発動する上に、発動率が”数倍”だ。画期的だろう?」
【シーン】
『お前やっぱり俺を僧侶で呼ぶつもりだったんじゃあないのか』
【ケビン】
「待て待て。まだ続きがある。基本的に数パーセントだが、
パラディンガードの発動率には一撃で食らうダメージ量も関わってる。
一撃に耐えることができれば爆発的に発動率は増すからな。」
【シーン】
『”機械を動かすにはこの手に限る”
おい、ここはいつの時代だ?
殴らないとマトモに動かない機械ってどうなんだ?』
【ケビン】
「機械ってわけでもないが…まあいい。
それだけじゃ不安だろ?」
【シーン】
『仏頂面が見えないならマヌーハをしようか?』
【ケビン】
「安心しろ。ちゃんと応援を頼んでいる。」
【シーン】
『お、航空支援か何かか?』
【ケビン】
「声援だ」
【シーン】
『…は?』
【ケビン】
「声援だよ声援。なんなら相手指名してもいいぞ?」
【シーン】
『おいちょっとストーンこいつ何言ってんだ』
【ストーン】
「そう思うのも無理はないが…
”本気”だ。残念なことに。
声援で発動することがあるのさ。パラディンガードは。
ついでに火力もアップするおまけつき。」
【シーン】
『…今度エンジニアにあったら、
お涙頂戴の手紙を朗読する機能をつけろ、といっておけ』
【ストーン】
「感動的だ。検討しよう。」
―――ラッカラン 錬金ギルド―――
【シーン】
『で、宝珠のリストを見たんだが…
このジゴスパークってのがないぞ』
【クリスト】
「今から取りに行く予定になってる。準備しろ。』
【シーン】
『今から!?おいおい作戦時間までもう1時間も…』
【クリスト】
「皆時間がなくてな。すまない。
予定を調整したんだが、ギリギリになってしまった。」
【シーン】
『ま、幸い他の準備は全て出来たしな…。
とりあえずそれを取りに行こうか。』
―――ジュレー島 下層遺跡―――
【クリスト】
「捕捉された!シルバーマントの相手はそっちで頼む!」
【シーン】
『捕捉ってなんだよ!?
シルバーマント以外のやつにか!?』
【クリスト】
「最近この辺を荒らしまわってる機械人形どもだ!
こっちをつけねらってきやがった!
撒くから相手しててくれ!」
【シーン】
『くっそ意味わかんねぇぞ!』
【ストーン】
「落ち着け。俺のサポートだけしてろ」
【シーン】
『それはいいが…なんで後ろみないんだよお前』
【ストーン】
「い、いやすまん…。
お前のそのドルボードな…。
いやほんっっっとすまん!
その…回って粉撒いてるのどうにかならないのか?
キャラにあってなくて気が散るんだよ!」
【シーン】
『人の趣味にケチつけてんじゃねえよクソが!』
【ストーン】
「いやあほんとすまん。こういうの弱くてな。
ほら、でたぞゴールドマント」
【シーン】
『理不尽だ…畜生』
続く。