「占い師って一体何者なんだ?」
『そりゃ占いで戦況を有利にするとか、そんなんだろ』
「俺が見た連中はそんなんじゃなかったんだが…」
『ほう、どんなのだ?』
「丁度昨日占い師の館がオープンしたみたいでな、そりゃもう大勢の占い師候補が詰めかけたわけよ」
『まあ、そうだろうな』
「なんかカード引いて依頼受けて出かけて来たと思ったらすぐ戻ってきて言うんだ。これで俺も占い師だって。」
『試験に合格したんだろうな。話からして門は広く開かれてるのか』
「で、酒場で転職手続きしに行ったワケよ」
『早速試すわけだな』
「詰めかけた連中と言えば数も数だからさ、冒険者でもトップクラスな奴も結構いたワケよ」
『物珍しさから軽い気持ちで転職考えたんだろう。冒険者は新しいモノ好きだからな。』
「手続き終わったら下着姿のガリガリになってた」
『…なんだって?』
「だからなんか…いきなり装備がズルッと脱げてな。鎧に潰されそうな奴もいたかな?んでパンツだけとかになってガリガリに痩せてた」
『いやいやどういうことなんだよ…』
「それは俺が聞きたいよ…。そしたらなんかマイコーデだから裸じゃない、とか言っちゃってるワケよ」
『あれ幻術の一種で実際には全裸なんだろ?』
「実際そのはずだが…まあ全裸で出てって向かった先が預かり所じゃなくて宿屋だ」
『宿屋…?』
「宿屋で人に話しかけたと思ったらいきなり体つきがムキムキに良くなってな」
『ちょっと何言ってるかわからんのだが』
「実際そうなんだからしかたないだろ…そんでなんか色んなとこに人と話しにいって、その度に体が成長してた。全裸のままで。タロットいじってたの数えるぐらいだな。」
『それ本当に占い師なのか?』
「わからん…わからんのだがなんか連中の一部の体格は1日で元に戻ってた。一旦弱くなって強くなる意味がわからん」
『特異体質の集団かなんかか?』
「そうかもしれん…そしてなんか漸く占い始めたと思ったら海岸でごみ拾いして釜茹でにしてたよ」
『連中は一体何がしたいんだ…』
「だから何者なんだって聞いてる」
『そういうのは神にでも質問してくれ…』
占い師…一体何者なんだ…?