『チームの改革が終わったので、
ちょっと犬猿雉を仲間に(スカウトアタック)してきますね』
「なんでわざわざ動物を仲間にするんじゃ」
『この村…というか町もですけど、
大体職人とか町人とかって職業じゃないですか。
いても戦士とか物理系ばっかりだし。
陰陽師とかでもいればいいんですが、
バージョン1にはいないみたいです。
とにかく支援系が欲しいんですよ。
その分モンスターを仲間にすれば
スキルは割と多様ですしね。
我々よりかはレベル上げも楽にすみます。』
「きびだんごは」
『そんなもので仲間になるわけないでしょう?
効果は30分しかないんだし』
ももたろうは、犬・猿・雉を仲間にし、
職人作業の進捗を見ながら装備を取り換えつつ、
レベルを44にまで上げました。
鬼ヶ島の推奨レベルは40なので十分戦えるレベルです。
ももたろう的には渾身斬りを覚えるまで待ちたかったようですが、
痛恨対策でHPリンクを取ってしまったので諦めました。
ももたろうはとうとう鬼ヶ島までたどり着きます。
そこには鬼のボスがももたろうを待っていました。
「よく来た。襲来一ヶ月目なので難易度選択はまだないぞ」
『これまでのバランスは妥当だったと思いますので問題ありません』
「それはよかった。
しかしもうちょっともつと思っていたが随分と早い襲来だな」
『チムメンが貢献してくれましたから。
私が最初ですか?』
「いや、一週間前にきんたろうが来たぞ。
なんであいつためる+岩石落としまで覚えてるんだ。
あっさりこちらを打ち破って
『ぬるかったから広場で難易度上げるように祈っとくわ。
あんまりアピールが過ぎると自慢だと思われるけど』
とか言ってたし。もう別世界行けって言っといたわ」
『そんなにヌルいですか?
結構死にかけたんですけど。
主に猿がHPリンク中に瀕死無視して前に出たせいで』
「プレイヤースキルによるとしかいいようがないな。
大体そっちメンバーは実質サポじゃないの。
なんでモンスター仲間なのに3匹もつれてるの」
『話の都合です』
「困るんだよなぁそういうの…
ちょっと不具合として報告しておいてくれる?」
『不具合じゃねえよ』
「そっちが言うのか…。
まあなんだ、バランスのほうは
全体的には厳しいって言われてる。
戦闘系の村じゃないところは大変みたいね。
大体ここ、財宝奪ってきてるって設定だけど、
君みたいに職人してる人からみるともらえる報酬なんて
必要経費にすらならないからね。
正直もうちょっとゆっくり進んでもらう想定だから、
このレベルでいいと思うんだけど。
さっさと倒されて鬼の襲来スカスカじゃん、とか言われたくないし」
『厳しすぎると今度は露骨な足止めって言われるんですよ…?
この後の予定ってまだないんですか?』
「あー、この門の後ろグリム童話につながってるから。
そういうことになってるから。
まだつなげてる最中だけど。
ウチら倒すとちょっとだけなんか
そういうのにおわせる奴が出てくるから。」
『露骨な伏線ですね』
「10年続くからねえ」
『そうですか。
まあ、我々も倒しに来てるんで、そろそろ』
「そうか。じゃあやろうか。
みやぶるないけどこれ自動的にみやぶれるからね」
『ご忠告どうも』
こうしてももたろうは、鬼たちを退治して帰還しました。
村は一時的な平和を取り戻しましたが、
彼らの戦いはまだ始まったばかりなのです。
とりあえずカンストを目標に次の敵を待ち受けるのでした。
おわり。