これは学生の頃に私が体験した話です。
あの日も、こんな風に暑い夏の夜でした…
夏休み利用して、私は叔父が住職を務めるお寺に遊びにいっておりました…
最初の内は何も無く過ごしていたのですが、ある日の夜…叔父から、お寺の近くにあるお墓の見回りを頼まれたのです。
怖がりの私は断ったのですが、高齢の叔父に行かせる訳にもいかない為、結局私が行くことになりました。

お墓に着くとやはり夜というこ事もあり、辺りはかなり不気味な雰囲気でした。
怖くなった私は急ぎ足で見回りをしました。
大方見回りも終わり、やっと帰れる…そう思った時にそれは聞こえました。
足音です。
私は勇気を振り絞り、辺りを調べました。
するとどうやらその足音はお墓の奥の林から聞こえてくる様でした。
ゆっくりと近付き、持っていた提灯で林を照らすとそこには………

そこには、おぞましい顔をした日本人形が何体もおり、一本の大きな木を囲む様に歩き回っていたのです。
それを見た私は、思わず小さな悲鳴をあげてしまいました。
すると、その場に居た人形の首だけが一斉にこちらを振り返ったのです。
私は半狂乱になり、急いで叔父の元へ帰りました。
叔父にさっき体験した出来事を話すと、笑うばかりで全く取り合ってもらえませんでした。
『怖がってたからきっと何か他の物を見間違えたんだろう。
今日はもう遅いから寝なさい。』
叔父はそう言って床に就いてしまいました。
その夜、私は眠れませんでした。
何故なら…
その晩ずっと、あの人形が窓からこちらを覗いていたのですから。