※蒼天のソウラの二次創作です。実際のキャラの
掛け合いなどに違いがあるかもしれません。
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マルモはマニュアルのページを何度もめくり
項目を探した所、リモコンに関する記述を発見した。
そして、恐る恐る声に出して読み上げ始めた。
「よ、読み上げます…!」
”《試作型都市防衛結界装置用》操作機器の機能説明。
以下リモコンは、本機の全操作を行えるものであり、
誤操作防止の為、稼働停止機能を本体は持たない設計である”
”また本機は、予め充填された動力を使い切るとその時に限り
人体の魔力を媒介として使用できる緊急用の動力供給機能が解禁され”
”本機の動力として転用可能だが、その解除はリモコンによってのみ
可能である事を留意されたし”
”この為、本機運用において悪意ある者にリモコンを
掌握されない様、管理には細心の注意を払い、運用を行う事”
「ーーーだそうです」
「なるほど、あの本部司令のパテル殿への負の感情は、
相当なものである様だ…」
マニュアルに書かれていた内容を聞き、リンドウは苦笑いを浮かべた。
その横で、作業を続けていたエンはある部分に達した時に手が止まり
疑問の声が漏れた。
「なんだろう、これ?」
それにマルモとリンドウは、見に行くと既にほとんどの外装が
解体され、接続された太いケーブル類と装置の心臓部である
球状の動力炉が露出した状態になっていた。
エンは、その中にある一番太いケーブルに取り付けられた
リング状のものを指差していた。マルモはそれを見て、手元の本をめくる。
「このマニュアルにこのリングに関する記載は
掲載ありませんね」
「……当時、整備した人が目印でつけたのかな?」
と解釈し、エンが手をかけようとした時…一瞬、リングが
薄く淡い光を放った。その機微にリンドウは目線を鋭く光らせ
エンを制止する。
「待て…!」
その言葉に驚き、エンは咄嗟に手を引っ込めると、
淡く光っていたリングはすぐに光を失った。
リンドウは、最大限の警戒をしつつ今度は自分の手を伸ばすと
光を放ち、すぐに引くと光が弱まった。
状況をつぶさに観察しながら、手元に自身の扱う水晶体”オーレリー”を
呼び出し、さらに装置全体を調べた。
そして…何かを悟ったのか、少し思案を挟んだのち
エンとマルモの方に向き、小さく二人に聞こえるくらいの
小さな声量で話し始める。
「……先ほどの代行殿の話で、敵の親玉が装置の状況を把握できない中、
どうやって操作するのか疑問だったが、その答えは…どうやら”これ”の様だ」
「えっ…!じゃあ今すぐに、外さないと行けないんじゃ!?」
「いや、それは良くない。もし…物理的に外そうとすれば、
何かしらの反応が取り付けた本人に異常が伝わり、向こうで
機器を操作されて”結界が消される”かもしれない…!」
リンドウは冷静に説明する。この事に二人は背中に緊張が走った。
「……あとは読みが正しければ…これ、自体にも結界装置の
周囲を巻き込む程度の”自壊の術式”も仕込まれている可能性がある」
と、話した時思わず二人は声を上げそうになるが、リンドウが
なんとか制止する。後ろから見ているマーテ達もその様子に
ただならぬ雰囲気を感じ取った。
「……つまり、何らかの事態に陥って操作出来なくても、
装置は”破壊出来る”という事だ」
相手側に行動を見透かされている事と取り付けられているもの自体が
爆発物の可能性に、驚きを隠せずにいる中…エンがリンドウに尋ねる。
「このリング…なんとか出来ませんか…?」
その言葉に、リンドウは難しい顔を浮かべる。改めて装置の方へ
向き直った。そしてその先で親玉たちと戦っているであろうアスカ達を
思い描いた時、
……リンドウはすぐ動き出した。
「やるしかないな…!……罠の解除を試みる!ロスウィード殿に
1度連絡を取ってほしい!」
「は、はい!」
マルモは急ぎ足で通信機材一式を広げ、準備を始める。
「リンドウさん!僕らで手伝える事は?」
「この罠の解除は1人で行う…!離宮突入作戦の時の様に、相手側が
作成した術式に介入して、無力化できれば良いが…少し繊細な作業になる…!
先に出来る事をそちらは進めておいて欲しい…!」
「分かりました…!」
と、エンは持ち込んだ機材の方へ向かい、機器に取り付けられた
動力炉と同じものを取り出し始める。リンドウも装置の前に
立ち罠の解析を始める。
「大佐のインカムは……」
一方のマルモは既に機材の準備が終わり、通信機器のツマミを
回しながら、インカムを耳にあて、連絡を試みていた。
呼び出し音が何度か鳴った辺りで、回線が開いた。
[……状況は、どうだ?]
少しノイズが入っているがロスウィードの声が届いた。
〜続く〜