(以下『小説集』とバージョン7.6(前期)までのネタバレがあります。)
日誌(1)に引き続いて『小説集』の「魔王と予言者」について見ていきます。
フォステイルの時空を越えての旅の目的は、p.025の2行目に「こそ」という強調表現があり、
「助けられたはずの無数の命と引き換えに、アストルティアという世界そのものの存続に奉仕する」ためと書かれています。
誰かが傷ついたり死んだりするとわかっていながらも非情に徹して助けず、それにより世界を維持し続けることを最優先するということのようです。
この一例が、p.026「創失の呪いを、少しでも防ぎ和らげる」ことですが、
「防ぎ」がやや引っかかりました。
現実世界の錬金術では「リュート」には楽器以外の意味があり、錬金の対象物を入れた容器(フラスコなど)や蒸留器の口をふさぐための「封泥」をあらわすことがあります。
封泥を使う理由は、容器内の液体・霊魂が外へ飛び出さないようにするためです。
「防ぎ」は「封泥」に通じるのかどうか。つまりリュートの音色で創失の呪いを防ぐことは、聖なる力という封泥なのかどうか。
p.009でも「聖なる力」と並んで「魔封じの術のたぐい」とあり、「封じ」はリュートの封泥の役割の暗示かどうか。
バルメシュケの研究所でうまのふんが2箇所で出てきましたが、うまのふんも封泥の役割を果たすことがあります。
研究所1階のドアの向こうの部屋にはいくつかフラスコが乗っていて、
水色の液体の入ったフラスコの下には三脚台があります。
恐らく同じものが天星郷のレクスルクスの楔の研究室にもあります。
現実世界の錬金術では「黄金の三脚台」という考えがあり、研究所の中央塔がフラスコのような形をしていることからも、バルメシュケが魔術としての錬金術も利用していた可能性は残ると思います。
魔王アスバルは錬金術に通じているかは不明であるものの、父となるイーヴ王子が角砂糖と紅茶、祖先のバルメシュケが三脚台とフラスコを使っていることから、
可能性はありそうですが現時点では不明のままです。
p.024「遠い日に捨てた夢」とは、銀の丘の扉を使って時間跳躍を続けているフォステイル神にとって一体何なのでしょうか。
もしメギストリスの参照元が錬金術師ヘルメス・トリスメギストスなら、フォステイルの妻メギストリス王妃は関係しているのかどうか。
「遠い日に捨てた夢」はメギストリス王妃と関係はあるのかないのか。
フォステイルが神化し時間跳躍して善き未来を調律し続けるのは、「遠い日に捨てた夢」を叶えることと関係はあるのかどうか。
フォステイルの口から王妃の話は出ていないようで、現時点ではいずれも不明です。
『ドラゴンクエストXオンライン 小説集』について考える(3)へ続きます。