(以下バージョン8.0までのネタバレがあります。)
第4話。秘宝デアダイアの眠る3000年前の灼熱の溶岩窟にはスカラベーダーズというスカラベーダーの群れがいます。
スカラベというと、深層心理学の研究をしていたユングが、共時性に関する有名な例を挙げています。
創元社の『エセンシャル・ユング』p.361によると、精神科医でもあるユングのもとを訪れていた女性患者が、
診察の大事なところにさしかかった際、彼女の夢に出てきたスカラベのことをユングに話すと、
部屋の窓の外からコツコツと音が鳴り、ユングが窓を見に行くと、スカラベに似たコガネムシ科の甲虫が部屋に入って来ようとしていたのです。
女性患者がスカラベの話をしたことと、スカラベに似た虫が患者のいる部屋に入ろうとしたこととの間に因果関係はないはずです。
しかし人によっては、因果ではない何かしらのつながりを感じずにはいられないほどの偶然です。
ちなみに現実世界でスカラベは古代エジプトで太陽神と同一視され、「再誕」の象徴と考えられたそうです。
ゲーム中では真のピラミッド付近などにスカラベがいました。
スカラベの「再誕」の観点では第5話(現代)に話がつながる可能性が考えられます。
共時性は、同じような出来事が続いて目に入ったり体験されたりする場合もあります(連続性)。
真のセレドの町にいるドワーフ男性キバリオから、980年前にゼドラ洞で消息を絶った紅竜について、ゼドラ洞を調べるよう主人公は依頼を受けます。
980年前とのことですが、9+8+0=「17」です。
真のゼドラ洞の入り口のテントの前にフーロックという人間男性がいて、テントの中の抜け道を使うと巨竜の巣へと通じていると説明してくれます。
フーロックという名前を数字化して足し算すると、2+6+9=「17」。
「17」という数字の連続性による共時性でしょうか。
先日別の日誌で、ラーディス王は「17」代前のヴェリナード国王であったり、分岐界のダラマッド遺跡に仕組まれた暗証番号は5930で、5+9+3+0=「17」だったり、バージョン8.0でも「17」の連続性が見られていました。
巨竜の巣に入ると亡霊となった賢者セレディーネがいて、こう説明します。
「親友(ドラスケ)は ゼドラの影(リュウタ)が 放った」
死の呪いに かかってしまい
ひとつの願いを遺して この世を去りました。
その願いとは
『ゼドラの影を 浄化してほしい』
というものです。」
第4話でカルデア溶岩窟の秘宝デアダイアをドワーフ男性のキバチェが爆薬を使って採掘しようとすると、地下から魔瘴が噴出し、
魔瘴を代わりに受けたリュウタはその後徐々に凶暴化していき、ゼドラの影と呼ばれるようになったそうです。
「浄化」というとバージョン7で何度も出てきた、錬金術のプロセスの可能性が残る表現です(日誌「錬金術の『浄化』について考える」)。
しかも、セレディーネが浄化に必要であるという3つの物のひとつ「黒呪のツボ」は、1300年前の持ち主だった呪術師ゴルガーレンが秘薬を作るのに「錬金釜の作動音」を鳴らした代物です。
戦闘で弱らせたところで浄化の儀式が行えるとのことで、セレディーネが黒呪のツボにデアダイアとアルゴンハート(ドラスケが石化したもの)を入れ呪文を唱えると、
錬金釜の作動音ではなく、治癒の呪文のような効果音が流れ、まばゆい光がゼドラの影を包み込むと、魔瘴が取り除かれ、リュウタが復活します。
リュウタは5000年もの長寿で魔瘴の体内からの侵食にも耐えて生き延びることができました。
リュウタ復活後にセレドの町の施療院に行くと、医師が倉庫から出したという本を読むことができます。
タイトルは『白衣の賢者と 紅の竜』で、白と赤が出てきます。
魔瘴により「腐敗」したリュウタを黒とすると、白衣の賢者セレディーネにより浄化され、本来の赤い竜に戻ります。
黒→白→赤という錬金術の基本プロレスを経ていて、リュウタは紅竜として「再誕」できました。
第4話のスカラベーダーズは、リュウタの再誕の共時性的前振りだったのではないでしょうか。
類例としては、7.4でキューロピアに渡る直前に温室であくじきオオワシという敵が唐突に出現し、
あれだけではなぜあの敵が現れたのか謎でしたが、「あくじき(悪食)」は女神ゼネシアの「おいしく いただいちゃいました」の前振りとして共時性的に登場したと考えると一応筋は通り、
7.3終盤では主神グランゼニスが創失の名付けの際に「全てを侵し 喰らい 忘却せしめる」と定義し、「喰らい」という錬金術の溶解の比喩と思しき表現を用いていて、共時性の連続性が見られていました。
『紅竜たちの記憶』をふり返り、バージョン8.0以降について妄想もする(補)へ続きます。