※ 注意!
【この日誌にはVer.3クリアまでの本編ストーリー、および様々なクエストに関するネタバレが含まれています】
※ 特に要注意!!
【この日誌には 「 破界篇クエスト 」 の 『 重大なネタバレ 』 が含まれています】
よろしいですか?
破壊神シドーを倒したクマリスは偽りのレンダーシア大陸のあちこちを気の向くままに旅していた。メルン水車郷でクレルのパンをご馳走になり、セレドの町でリゼロッタとのお茶会を堪能し、アラハギーロ王国でシャイニーメロンを見事な剣技で真っ二つにしたりして楽しんだ。そんな彼女が次に訪れた場所は…
クマリス
「ジャイラ密林か… ここに足を運ぶのは相棒と一緒にセラフィを探しにきた時以来だな。あの時は気にもとめなかったが、あんなに大きな遺跡があったのか」
?
「はぁあああっ!」
クマリス
「なにっ!?」
?
「くっ 避けられたか!」
クマリス
「おい、いきなり斬りかかってくるとはどういう了見だ?」
?
「黙れ! まさか復活していたとはな、魔勇者アンルシア!」
クマリス
「…魔勇者だと?」
?
「多少外見を変えてもこのオレの目はごまかせん。その魂の波動… たしかに覚えがあるぞ!」
クマリス
「魂の波動?
…ひょっとしてお前、テグラムか?」
テグラム
「白々しいことを! 今度は何を企んでいる!? でやぁっ!」
クマリス
「く… さすがに強いな… このままでは…!」
テグラム
「ぐふっ…!」
クマリス
「…え?」
テグラム
「…くっ! こんな時に…!」
クマリス
「お、おい、どうした? 急に倒れたりして…」
テグラム
「………腹が減った」
クマリス
「…はい?」
テグラム
「うまい! なんてうまいメロンだ!」
クマリス
「まったく、空腹でぶっ倒れるとは… 王国一の剣士が聞いてあきれる」
テグラム
「うむ、面目ない!」
クマリス
「なんだかさっきとずいぶん雰囲気が違わないか?」
テグラム
「さっきは空腹のあまり気が立っていたものでな。冷静な判断が出来なかったんだ。すまん!」
クマリス
「なんなんだそのいい加減さは… それじゃあ私が魔勇者だという誤解は解けたんだな?」
テグラム
「いや、たしかに魔勇者ではないようだがまったく違うというわけでもないな。オレはかつて魔勇者の魂の欠片を植えつけられたことがあるから、魔勇者の魂の波動はよく覚えている。君からは魔勇者とよく似た波動を感じるんだ」
クマリス
「魂の欠片… そういえばそんなこともあったな」
テグラム
「それに君はオレがテグラムだと知っていた。いったい君は何者なんだ? 悪人ではないようだし魔勇者でもないみたいだが」
クマリス
「そうだな… 別に隠す必要もないし話してやるか」
テグラム
「破魂の審判… この世界にそんな危機が訪れていたなんて…」
クマリス
「まぁ、そんなわけで破壊神シドーは護りの盾である私と、護りの手である相棒が倒して世界の破壊は防がれたのさ。私は魔勇者の 『 世界を護りたいという心 』 から生み出された存在だから似ているのも無理はない」
テグラム
「そういうことだったのか… ひとつ気になったんだが、君の話に出て来た滅びの剣も魔勇者の心から生み出されたんだな?」
クマリス
「ああ。もっともあっちは 『 この世界に対する憎しみ 』 から生み出された存在だったから、本家の魔勇者に負けず劣らずの外道だったがな。
それでも、最期まで滅びの手の… マデサゴーラの道具として使い捨てられたのは哀れだったか…」
テグラム
「…本当に魔勇者は滅びたのか?」
クマリス
「何だと? どういう意味だ」
テグラム
「すでに魔勇者は三度復活している。
一度目はオレに魔勇者の魂の欠片を植えつけ、オレの肉体を器として。
二度目は滅びの剣として。
そして… クマリス、君も見方によっては魔勇者の生まれ変わりと言えなくもない」
クマリス
「私を疑っているのか?」
テグラム
「君が魔勇者になりたいと思ってないのはわかる。だが君も魔勇者をルーツに持つ存在。君の魂を糧として魔勇者が復活する可能性はないのか、オレはそれが心配だ」
クマリス
「魔勇者としての憎しみの心は滅びの剣が全て背負っていた。やつを倒すことで私は過去の自分と… 魔勇者としての自分と決別したんだ!」
テグラム
「君の中に世界を憎む心は残ってないんだな?」
クマリス
「そこまで言うなら滅びの剣の魂を完全に消滅させよう。それで私がこの世界を憎んでいないことを証明してみせる」
【 憎しみのはてに その2 につづく 】