※注意!
【この日誌にはVer.5クリアまでのストーリーに関する重大なネタバレが含まれております】
【この日誌は妄想二次創作です。広い心でお読みください】
よろしいですか?
絶対滅神ジャゴヌバを倒し魔界に平和が訪れ大魔王城に逗留していた三人の魔王たちはそれぞれの国に帰っていった …はずであった
ドクター・ムー
「なんじゃユシュカ、ファラザードに帰ったんじゃなかったのか?」
ユシュカ
「ああ… 実はあんたを魔界一の名医と見込んで頼みがあるんだ」
ドクター・ムー
「頼み? どこか悪いのか? ジャゴヌバとの戦いで受けた傷ならあらかた治療したはずじゃぞ」
ユシュカ
「いや、そうじゃなくてだな… その…」
ドクター・ムー
「なんじゃ、おまえさんらしくもなくハッキリせんのう」
ナジーン
「虫歯が痛むそうですよ、ドクター」
ユシュカ
「な!? ナジーンおまえ! 勝手に言うな!」
ナジーン
「このままだと話が進みそうになかったので」
ドクター・ムー
「虫歯じゃと? 強靱な肉体を持つ魔族は滅多に虫歯なんぞならんはずじゃが…」
ナジーン
「ユシュカはこう見えて甘いものに目がないのです。ほっとけば三食ドーナツで済ませるくらいですから」
ユシュカ
「だから勝手に言うなって!」
ドクター・ムー
「やれやれ、魔王が虫歯とは笑い話にもならんわい。どれ、とりあえず診てみるとするかのう。こっちの診察台に横になってくれ。それで、どの歯が痛むんじゃ?」
ユシュカ
「右上の奥歯が…」
ドクター・ムー
「上の奥歯か、やっかいじゃのう。どれどれ…
な、なんじゃこれは!?」
ユシュカ
「ど、どうしたドクター!?」
ドクター・ムー
「ユシュカ… 奥歯どころの騒ぎじゃない、ほとんどの歯が虫歯になっとるぞ」
ユシュカ
「なっ…!?」
ドクター・ムー
「おまえさん、いったいどういう歯の磨き方をしとるんじゃ?」
ナジーン
「ユシュカは歯磨きが嫌いなんですよ。夜なんか歯磨きせずに寝てしまうこともしょっちゅうで。私も散々注意したんですが」
ユシュカ
「おまえもう黙れ!」
ドクター・ムー
「一本だけでもやっかいなのにこうも多いとなると、どうしたもんかのう…」
ユシュカ
「な、なんだよ。虫歯くらい回復呪文とかでちゃちゃっと治せるだろう?」
ドクター・ムー
「ムリじゃ」
ユシュカ
「なんで!」
ドクター・ムー
「回復呪文で治せるのは 『 自然治癒できる範疇 』 だけじゃ。例えば骨折は治せるが、千切れた腕や脚を生やすことはできん。元通りくっつけることはできるがの。虫歯というものは自然には治らんから回復呪文では治せんのじゃ」
ユシュカ
「じゃ、じゃあどうやって治すんだよ!?」
ドクター・ムー
「虫歯になった部分を削って特殊な石膏などで埋めるのが一般的じゃな」
ユシュカ
「削る!? 冗談じゃないぜ!」
ドクター・ムー
「じゃがこのまま放っておいたらますます悪化するぞ。最悪、全部抜かなきゃならなくなるかもしれん。総入れ歯の魔王として歴史に名を残したくはなかろう」
ナジーン
「覚悟を決めなさいユシュカ。大魔王に笑われてもいいんですか?」
ユシュカ
「くっ… わかったよ!」
ドクター・ムー
「それじゃ、いま道具を用意するからのう…」
チュイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!
ユシュカ
「待て! まてまて! なんだそれはっ!?」
ドクター・ムー
「虫歯を削るドリルじゃよ」
ユシュカ
「痛み止めの痲酔かなんか無いのか!?」
ドクター・ムー
「おまえさん仮にも魔王じゃろう? 魔王にラリホーやマヒのデバフが効くわけなかろうが。多少の痛みくらいガマンせい」
ユシュカ
「や、やっぱり今日はやめておこうかな…」
ナジーン
「往生際が悪いですよ。諦めなさい」
ユシュカ
「鬼! 悪魔! カタブツ!」
ドクター・ムー
「痛かったら手を挙げるんじゃぞ~ …まぁ、挙げても治療をやめはせんがな」
チュイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!
ユシュカ
「ぎゃぁあああああああああっ!!!」
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ドクター・ムー
「…やれやれ、ユシュカめ、あんなに暴れるとはのう。途中でナジーンどのが機転を利かせて首から下をアストロンで鉱化せんかったら診察室を壊されるところだったわい。ま、虫歯は全部治してやったからこれで一件落着じゃな…
ん? ノックの音が… 誰じゃな?」
ヴァレリア
「ドクター・ムー、貴様を魔界一の名医と見込んで頼みがあるのだが…」
【 魔王最大の危機 完 】