漫画『ドラえもん』のお話に、「どくさいスイッチ」というものがあります。草野球で負けたことでジャイアンからひどい仕打ちを受けたのび太が、
「ジャイアンさえいなかったらこんな目に...。」
とこぼしたのを見かねてドラえもんが渡したひみつ道具、どくさいスイッチ。使うと邪魔者を存在ごと消すことができる恐ろしい代物です。
のび太はこれを使ってジャイアンを消しました。ところが今度はスネ夫がいじめて来るようになり、スネ夫も消しました。しまいには誰も彼もが自分を馬鹿にしているような気がして、自分以外の全ての人を消してしまいました。
初めこそ1人きりの世界を満喫するのび太でしたが、次第に孤独を感じメソメソと泣きだしました。するとどこからともなくドラえもんがやってきて、こう言いました。
「気に入らないからってつぎつぎに消していけば、きりのないことになるんだよ。わかった?」
実はどくさいスイッチの正体は独裁的な考え方を持つ人を懲らしめる教材用道具であり、他人に原因を押し付けたところで根本的解決にはならず、結局は自分が変わらなければ意味がないことをのび太は学びます。
なんだか、どこかで聞いたような話ですね。