ドラクエXは実に時間がかかる。やり込もうとすると、生活の最低限の必要行為の時間以外は、全てドラクエに充てる事になり兼ねない。このまま十年以上、生活の大半をドラクエが占める事を考えると、そら恐ろしくさえ感じて来る。
しかしながら、ヤメラレナイトマラナイのだ。それは何故か。ストーリーの面白さ、ボス攻略の達成感、等々もあろうが、私が強く感じているものの一つは音の魔力である。SEが心地良いのである。
従来のドラクエシリーズで「トヘロス」や「せいすい」で避けられていた雑魚との戦闘が、このXではやたらと強いられる。だがそんな苦行の中にあってもSEに快感を感じるのだ。あの盗んだ時のチャリーンや、敵を倒した時のシュイーン、使い込みが上がった時のキピキピキピー(一寸ニュアンスが違うか)等、実に気持ちいい。―――嗚呼、何と言うマゾヒスティックな快楽である事よ。げに恐ろしきドラクエ。
聞いた話によると、人は嫌いな物を食べ続けて好きになると、ハードルを越えている事で病み付きになってしまうと言う。Aha! 正にそれこそがヤメラレナイトマラナイの答えだったのだ。辛く苦しい戦闘のヘビーローテーションの中に走るカイカン!『ドラクエⅢ そして病み付きへ・・・』。そうだ、そうだ、そうに決まった。
いやしかし、このままでは私の人生が無価値な物に・・・。いやゲームで楽しければそれは意義あるものと呼べるのか・・・。いやでも・・・。どうしたらいいんだ。どうしたら・・・。
私は取り敢えずドラクエしながら考える事にするのだった。
続く