ボンゾルフ
「ここが 天界の礼拝堂か?
というか 大した神なんて いる気がしないな。
神のお告げなんて 本当にもらえるのかよ。
「騙されたと思って 行ってみるか。」
ボンゾルフは 天界の礼拝堂に 入った。
ボンゾルフ
「おお 神よ。
私に 進むべき道を 示してください。」
……………………私は ダーマ神。
とはいえ この地に宿りし 精霊的存在でありますがね。
……………………さて 私には 見えます。
あなたの中に秘められた 強大な…………
……………………闇の力が。
ボンゾルフ
「や………… 闇の力?」
ボンゾルフ
「そういえば この世界では 善は悪に
悪は善になるはずだったな。
「ってことは 以前の世界で 完全なる悪では
なかったよう…………。」
……………………不変の闇が あなたを構成する
根源的な力として 存在します。
ボンゾルフ
「不変? 根源的な力?
それは一体 どういうことだ?」
…………あなたの 真の姿が 見えます。
こちらです。
ボンゾルフ
「ん? どれどれ。」
ボンゾルフ
「二本のツノに 大鎌…………?
俺の悩みである 太っちょ体型は 変わらないのか。
「って なんだよ この禍々しい姿…………。
どこか 懐かしいような…………。」
…………これが あなたの 真の姿です。
すなわち 今のあなたは 仮初の身で生きているのです。
そう あなたは 完全なるあなたに なれていないのです…………。
ボンゾルフ
「これが完全だというのなら 完全にならなくてもいい。」
では 教えましょう。
闇と悪とは 違います。
同時に
光と正義も 違います。
闇の正義も 存在しますし
光の悪も 存在します。
光か闇かを決めるのは その人の根源的な力であり
正義か悪かを決めるのは その人の心のあり様なのです。
ボンゾルフ
「そうか。」
…………あなたは 闇の正義に 分類されます。
これは 極めて珍しい存在。
光の正義と 闇の悪が 大半を占める世界で
その立場につくということは 極めて意味のある事であり
極めて名誉あることなのです。
…………そして 教えましょう。
私は 見つけました。
この世の法則です。
外面的な力は 入れ替わりますが
内面的な力 すなわち 根源的な力というものは
入れ替わらないことに 気が付いたのです…………。
ボンゾルフ
「だから 俺の中に 闇が残っているってワケか。」
そして 大魔王デスゾルーガ。
かの魔物の根源的な力は なぜか 光なのです。
かの者は 光の力を得た邪悪なのです。
残念ながら 聖王の大剣の力は 一切通用しません。
おそらくこれも メビウロスのたくらみ。
ボンゾルフ
「なんということだ…………
ならば 闇を得るほか あるまい。」
その通りです。
闇の力なくして かの魔物を 討伐することはできません。
なので 今は その闇を 完全に引き出す手段を
考えねばなりませんね。
おそらく その最も早い手段は
異界から現れた魔物を 討伐することでしょう。
あなたは 異界出身ですよね?
ですから 異界から現れた魔物たちを 倒すのです。
そうすれば やがて 真の力への道が 見えるはず。
近くの館に おぞましいスライムが 降臨したといいます。
そのスライムも おそらく 異界出身でしょう。
まずは その魔物から倒すのです。
ボンゾルフ
「おうよ。
では 行ってくる。」
最後に 聞いてください。
これから あなたが 真の力を得た時…………
ダーマの力は 必要なくなるかもしれません。
大いなる闇に 呑まれることも 可能性としてゼロではありません。
ただ…………
忘れないでくださいね。
あなたは どんな時も 勇者ですから。
たとえ 正義の心は 失わないように。
あなたの道が 光に照らされんことを。
ボンゾルフは 天界の礼拝堂から 出た。
深淵の影
「…………ふぅ。
なんとか ダーマ神に なりきって
この世の法則を 話すことができた。
「それにしても だ。
勇者は 俺が死んだと 思っているだろう。
いつ 現れればよいものか。
「殺されかけた あのとき。
影たる俺は その力を活かし
なんとか 逃げ切りましたが…………。」
「その後 異界より現れた あの大魔神から
伝えられた真実は ひどく辛かった。」
To be continued...