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「…………デスゾルーガ様。
魔王ハイドナーグが 倒されました。
オーブも 勇者の手に渡ったかもしれません。」
大魔王デスゾルーガ
「なんと…………。
勇者は そのようなチカラを どこで?」
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「伝説の剣である 天聖輝のつるぎを
所持していたという 目撃情報があります。」
大魔王デスゾルーガ
「ふむ 伝説の剣か。
して 勇者の行方は 分かるか?
…………魔王ファングルよ。」
魔王ファングル
「いえ 申し訳ありませんが 分かりません。
しかし ちょうどこのタイミングで
恐ろしいことが 起き始めています。
「…………災厄をもたらす神が 降臨しました。」
大魔王デスゾルーガ
「なんだと…………?」
魔王ファングル
「申し訳ありませんが この万象の帝国が持つかも
もはや 時間の問題かと。
それほどまでに 恐ろしい神が 降臨しました。」
魔王ファングル
「神は 天地を焼き払い
我々 魔族を八つ裂きにして
次々に侵攻を始めている模様です。たった一柱の神のみで。
「その神に立ち向かったものは
ことごとく粉砕されているとのことです。
それも 一瞬にして。」
大魔王デスゾルーガ
「なんと おぞましい…………。
そのような神が 存在していては
我が野望も 果たすことは できまい。
「しかし 忘れるな。
我は 神にも等しきチカラを持っているのだ。」
大魔王デスゾルーガ
「狭間の異界へと 至るためには
確か 7つのオーブが 必要だったな。
1つは 勇者の手に渡ったか。
「しかし 現在 2つは我らが手中にある。
パープルオーブと シルバーオーブだな。
さらに 人類最強の姫という ルシェル姫もとらえている。
「勇者の行方が知れぬ今 おぞましき神が降臨するとは…………
……………………ん? もしや
今 世界を騒がせている ボンゾルフというのは?」
魔王ファングル
「どうやら 勇者の真名が そうだったようで。」
大魔王デスゾルーガ
「…………それを早く言わぬか!
まさか…………
勇者とは すなわち……………………。」
「我の…………!」
「…………………………………………まさか
そんな………… ことが……………………!」
ボンゾルフ
「…………足りぬ。
何もかも 足りぬ。」
ボンゾルフ
「白馬テンライジャも いない。
大いなる断罪の鎌も ない。
万象の帝国も 見当たらない。」
ボンゾルフ
「断罪の鎌がなくとも 神のチカラというもので
異界の魔物どもを 八つ裂きにしてきたが
それでも 目的は何もかも果たせぬ。
「しかし 断罪の鎌なくして
大魔王に勝利するなど 不可能に近いこと。
神の血が 私にそう告げているわ。」
「しかし 神の血が 告げている。
断罪の鎌の所有者は………… 魔王ディストラシア。
かの魔物に違いない と。
「バルフレイドが焼かれ 異界の門が開いた際
この世に 大いなる断罪の鎌が 放り込まれた。
私の血が そう告げているのだ。」
「憎き魔王どもよ。
復讐の時である。」
ボンゾルフ
「実体を持った虚像。
すなわち 真実の虚像として
生きていた私であった。」
「だが今 我が身の全てが真実となった。
私は 全知全能の神である。
意志をも制御することが可能である。」
「そうだ 私は救済をもたらす神だ。」
…………ボンゾルフは 己が神であるがあまりに
冒険を始めた頃の心………… 愛や優しさなどを 失いかけていた。
善の意志を持ったままでいられる と思っていたボンゾルフだったが
何が起こるかは 分からないというもの。
このままでは 世界を救うどころか
世界を崩壊させてしまう。
己の心と共に。
善の意志を持った正義と 善の意志を知った悪が 合わさったことで
正義と悪の間の価値観が不安定になり やがて善の意志を狂わせていったのだ。
それゆえに ボンゾルフは今 善の存在でいられなくなっている。
天地を焼き払い 世界は災厄につつまれている。
ボンゾルフは 己を「救済をもたらす神」と言うが
皆は ボンゾルフを「災厄をもたらす神」と呼ぶ。
異界から現れた魔物を追って たどり着いた真実。
それは 己の真の力なくして 大魔王と戦うことは不可能だということ。
そして ボンゾルフは真の力を取り戻すが それは邪神の力という恐ろしきものだった。
第6章「真実の虚像」完