竜術士ボンゾルフだ。
さて、オレは前回、遥かなる未来への旅路を乗り越えてきた。
そして、オレの進むべき道は示された。
このアストルティアという「宝」を守り抜くこと。
それがオレの……ドワーフのトレジャーハンターにして、竜術士たるオレの進むべき道だ。
そのためにオレが訪れたのは、ガミルゴの盾島。
魔界へと通じるという門がある場所だ。
その門を超えて、オレは魔界へと足を踏み入れることとなった。
そして、この世界でオレは魔族になった。
……何だ、血の契約だと? そんなものでオレは魔族になったのではない。
オレはな……
自ら率先して魔族になったのだ!
力を得ることもまた、オレの目的に近づくために必要だからな。
そう……魔族とは、人よりも遥かに強い存在だ。
だからオレは、自ら魔族の力を手に入れたのだ。
まず、魔族とは長寿な生き物……即ち、すさまじい生命力を有する。
今回、オレは魔族になった影響で、その生命力の一端を得た。
そう……ついいにオレに戻ったのだ。
「髪」というものが。
フハハハハァ……!!
失われて久しかった、オレが髪が戻ったのだよ……
ここに至るまでに、一体どれほどの時間がかかったか……!!!
それだけではない。
魔族が宿す魔力は、人のそれと比べてすさまじく強大だ。
ゆえにこそ、これでオレは最強の竜術士にまた一歩、近づいたといえよう。
こうしてオレは「完全なる竜術士」となったのだァ!!!!
フハハハハハハァ!!!!!
……コホン。
とはいえ、だ。
もちろん、魔族になった弊害もあった。
今回、オレは魔族に堕ちたため、魔力の流れが大きく変わってしまった。
それゆえ、この姿のときは、両手杖ではなく鎌を用いて戦うことにした。
いずれ慣れてきたら、両手杖での戦いも元通りできるようになるだろうがよ。
まぁ、そんなところだな。
さて、オレはこの魔界で、魔族として三つの国を渡り歩くこととした。
だが……そこの魔王どもにオレは失望した。
ゼクレス魔導国。
魔王アスバルとかいうヤツは、確かにすさまじい魔力を持っていた。
だが……ヤツには魔力しかない。
地の魔力と竜の武力、二つを兼ね備えたオレには敵わないだろう。
フン……魔王どもも所詮、こんなものか。
オレを失望させてくれるな。
次に会ったときには、オレの竜の力で丁寧に大地の底に埋めてやろうぞ……。
バルディスタ要塞。
魔王ヴァレリアとかいうヤツは、確かにすさまじい武力を持っていた。
だが……ヤツには武力しかない。
地の魔力と竜の武力、二つを兼ね備えたオレには敵わないだろう。
フン……魔王どもも所詮、こんなものか。
オレを失望させてくれるな。
次に会ったときには、オレの竜の力で丁寧に大地の底に埋めてやろうぞ……。
……まぁ、そんなところだ。
砂の都ファラザード。
魔王ユシュカとかいうヤツは、一体何を持っているのか分からなかった。
ヤツには魔力も武力もない。
地の魔力と竜の武力、二つを兼ね備えたオレには敵わないだろう。
フン……魔王どもも所詮、こんなものか。
オレを失望させてくれるな。
次に会ったときには、オレの竜の力で丁寧に大地の底に埋めてやろうぞ……。
魔界三国の現状は、そんなものだった。
まったく、残念でならないよ。
さて。
では、オレはなぜ、魔界を訪れることにしたのか?
その目的は、すなわち……アストルティアを守ること。
アストルティアを守るとは何か?
オレは、アストルティアに仇なす存在を討ち果たすことこそが、それに繋がると考える。
それは……「大いなる闇の根源」だ。
オレは、滅びの神と呼ばれしそれを滅ぼすために、この魔界に来たのだ。
オレと大いなる闇の根源との因縁を、断ち切るための戦いが始まる。
滅びの神とやら……
せいぜいオレを「失望」させてくれるなよ?