竜術士ボンゾルフだ。
さて、前回は魔界三国を巡ったわけだが、
それぞれの国家の魔王どもに失望したオレだった。
だが。
本来、魔王を超える存在が、この魔界にいる。
それは「大魔王」と呼ばれる……。
先代の大魔王マデサゴーラが死んで以来、その座は空位となっているのだが、
あの腰抜けの魔王どもに大魔王の座など、託せるはずもない。
その大魔王の座……オレが就くしかない。
そもそも、オレは大いなる闇の根源を討つためにこの世界へ来たわけだが。
そのための最初の一歩は、大魔王の座に就くことだと思う。
なぜか。
あの腰抜けどもも、オレには劣れども戦力としては十分利用できると考えたからだ。
なにせ数が多い。それは大いなる聖戦において、何よりも武器となるだろう。
グハハハハ……。
……というわけで、ここがデモンマウンテンだ。
大魔王を決する、魔界の頂。
ここをオレは、竜の翼で登り切った。
地に足をつけねば登れない、哀れなる魔族どもとは違うのだよ。
誇り高き、この竜の血族はなァ……!!
そして、このデモンマウンテンで、オレは大魔王を決するための試練を受けた。
ジャディンの園では、オレは「むっつりスケベ」などと言われたが……本当に愚かだな。
オレは、さそうおどりを踊っただけなのだがな。
魔族どもは偏見の中で生きている、哀れな種族だということが証明された。
ああ、哀れなり!
この哀れなる子羊どもは、やはりオレが導いてやらねば……。
……そうしてたどり着いたのは、ゴダ神殿。
そこでオレは、腰抜けの魔王ユシュカと戦うことになった。
そして、面白いことに。
コイツは腰抜けながら、中々やる。
フン、興味が湧いた。
だが、コイツには残念がお知らせがある。
そう……この試練、オレが大魔王候補者に選ばれたのだ。
まぁ、最初から分かり切っていたことだがな。
そして、それどころか。
このゴダ神殿、どうやら大いなる闇の根源と通じているようだった。
ゆえにこそ、オレは大いなる闇の根源の幻影と接触を試みた。
そして……。
……オレは、竜の力でそいつを討ち果たした。
行ける……行けるぞ。
想像以上に、オレは野望へと近づくことができたな。
これから先、過酷な道となるだろう。
だが、オレはオレの覇道を征くまでだ……
グハハハハァ……!!
大魔王ボンゾルフ。
その名が魔界を轟かす日は、近い。
腰抜けの三国の魔王どもを従えて、オレが大魔王となってやろうぞ……
この昏き魔界の夜明けはすぐそこだ。
そして、全ての魔族を従えたとき。
オレはアストルティアの者どもも集め、大いなる闇の根源……
……異界滅神ジャゴヌバを討つ。
竜術士たるオレの、長き因縁を断ち切るための物語は、こうして始まった。
オレは……進み続ける。