竜術士ボンゾルフだ。
さて、前回は大魔王選定の儀を受けた訳だが。
そこでオレは、大魔王候補者として選定された。
正直、この魔界に生きる愚かなる魔族など、捨て置くことも考えた。
だが、奴らはその愚かさゆえに己が力量を見極めきれず、
それゆえにアストルティアへの侵攻を続けている。
それが勝利に終わった事実など歴史上一度も無いというのに。
それに、魔界には魔瘴の根源たる大いなる闇の根源が存在している。
今、魔界へと足を踏み入れたオレは、闇の根源に近づくことができた。
オレは大地を守るために、奴を滅ぼさねばならん。
たとえ、奴が神であろうとも。
それを考えても、やはりオレが大魔王となりて、
魔界に住まう者どもを導いてやらねばならぬわけだが……
……などと考えている中で、魔界では戦乱が巻き起こっていた。
嗚呼、愚かなり!
やはり魔族は、まるで野蛮なる原始の種族のようだ!
文化的な生命たる我らアストルティアの民からすれば吐き気を催すような存在!
嗚呼、愚かなり! 神聖なる我らが審判を下さねばなるまい!
というわけでオレは、愚昧なる魔族を裁きに向かうこととした。
そして、当然ながらオレの竜の力で、魔界は平定された。
愚かなる魔族どもは魔界大戦などと呼んでいたが、
オレからすればこの程度、愚者どもの小競り合いに過ぎぬ……。
だが、この小競り合いも奴らからすれば大戦なのだろう。
この戦乱を制したことで、オレは王の器として認められるに至った。
グハハハハ……愚者どもを制するは容易い。
そして、魔王ユシュカという男。
あいつは中々、やる。
奴は、このオレに大魔王城を献上したのだ。
あいつならば、オレのしもべにしてやってもよいだろう。
……そして、大魔王城でオレの戴冠の儀が行われたわけだが。
魔仙卿とやらは、そこで魔瘴魂を解き放った。
嗚呼、愚かなり!
魔界には、愚かなる者しかいないのか!
愚者たちで満ちている、愚かなる世界!
オレはもはや、この世界を魔界などと呼ばない!
この世界に相応しい名は「愚界」だッ!!!
かくして、オレは新たなる大魔王となった。
この愚界を平定したオレは、次にアストルティアの者を呼び寄せようと思う。
そして、大いなる闇の根源へと近づき、奴を滅ぼす。
オレは絶対に、敗北してはならない。
なぜなら、オレが竜の力を持ってこの世に生を受けた理由……
……それはきっと、アストルティアを守るためだからだ。