「さて、もう本の評定と学者いじめはよろしいでしょう 勤務時間は私のいない月、火、水、木のいずれか どこでも良いですが、如何します?」
「貴様のよ」
「次関係のないことを話せば問答無用で不採用です」「.......................火と木でお願いします...」
「分かりました しかし私のような若僧の下で働こうとは 余程金に困っているか、はたまたプライドがないか...」
「........」
模範的な高圧的振る舞いを取る店主が就職希望者に銃を突きつけながら行われる究極の圧迫面接。ここまで来ると面接どころでは無さそうだが、店主の口調自体は落ち着いているので話は意外とスムーズに進む。
「ま、理由はどうでも良いか カウンターの中へどうぞ 器具の位置と冷蔵庫をお教えします」
銃を下ろし、カウンターの中へアラメを案内するシエル。それにアラメは大人しく従い、シエルの解説を聞いていった。
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「それで、最後にお金の話となりますが 食材の購入費に関しては作る料理のレシピを見せていただければこちらで全額負担します 給与については毎週末に支給とし....支給額は週当たり160Gとプラスで売上に対しての歩合となります ご質問は?」
「ありません.....」
最初のドタバタが嘘のように話はするすると進んでいく。かなり優良条件での雇用だがそれでもアラメの表情は晴れない。
「では、本日は以上になります 帰っても構いませんよ」
「ありがとうございました.......」
「遅刻はしないように」
「はい........」
深く一礼をした後、入り口の扉へと俯きつつトボトボと歩いて行くアラメ。その様子は面接に合格し雇用が決定した人間とは思えない。
外へ出て扉を閉め切った後、着物を着た女性は俯いたまま当てもなくアズランへと歩き出した。目には涙を溜め、1人寂しく、トボトボと......
一方のシエルは、というと.....冷えてしまったカップの中身を捨てて一度丁寧に洗った後、コーヒーを淹れていた。その様子は数十分前に他人の顔面に3発ぶち込んだ人間とは思えない。
おわり