潮風の中のささやき
「これで……全部、揃った!」
みるくは小さく拳を握って、嬉しそうに庭を見渡した。課金1527円。悩みに悩んで、お小遣いから捻出した夏のご褒美。シーサイド家具セット。
砂浜のタイル、貝殻ランプ、ビーチソファ。波音が聞こえてきそうな青と白の世界が、みるくの小さなおうちをすっかり海辺のリゾートに変えてくれた。
「ねえ見て!あの浮き輪、座るとぷかぷかするんだよ!」
プクリポの友達が目を輝かせてソファに座る。「おお〜浮いてるみたい〜!」なんて言いながらくるくる回ってる。
「このパラソルの下で飲むジュース、最高かも」
エル子ちゃんがサンセットオレンジのグラスを手にして笑った。
──1527円なんて、ちょっとした贅沢。でも、みるくにはこの景色がどうしても欲しかった。
潮風をイメージした風鈴の音。ウッドデッキに置いたロープチェア。すべてが夏至の夕暮れに染まっていく。
「ほんとは、リアルでは旅行とか行けないけど……ここなら、みんなと夏を感じられるんだよね」
みるくがつぶやくと、みんなが静かにうなずいた。
月が海面に揺れて、パラソルの影が長くのびていく。
この小さなハウジングは──みるくにとって、なにより大きな宝物だった。
課金1527円が、かけがえのない風景をくれました。
ゲームの世界でも、心はちゃんと夏を感じてる。