課金で迎えたシュタール鉱野の木を庭に植える。風が抜けるたび、葉は鉱石を削るように微かに鳴り、指先へ冷たいざらつきが移った。遠い坑道の匂いまで連れてくるのが、少し誇らしい。
聖湖ゼニートの井戸に桶を下ろす。水面がひと息つくように震え、汲み上げた水は唇に鉄と月の味を残す。頬を撫でる冷気が、今日の疲れを静かにほどいていく。
守護天使像の石肌は夜気を孕み、額を寄せると静けさが胸の内側に沁みた。翼に差す光が壁を滑り、部屋の影さえ整えてくれる。
配置完了のチャイムが鳴る。コントローラーの微かな震えと畳の匂いが混ざって、胸がふわりと軽くなる。井戸の底から上がる風は、かつて井戸水で冷やした西瓜の甘さを思い出させた。
木の根元に置いた灯りは鉱粉のように白く、指で触れると現実の指先まで温い。天使像に小さく「おやすみ」と告げると、青の匂いが部屋に滲み、まぶたが静かに重くなった。