「――よし、クノスマス準備完了」
氷の床に、靴底がきん、と冷たく鳴る。
ツリーの光が揺れて、甘いケーキの匂いと鈴の音が胸に落ちてきた。
「隊長! もう待てないよー!」
「はは、落ち着け。帽子がずれてるぞ」
小さな仲間たちが、しゃらしゃらとベルを鳴らして跳ねる。
「今年は誰が来るの?」
「来てほしい人が、来るさ」
そう言うと、心臓が少し速くなる。
静かなBGMが、背中を押した。
「寒くない?」
「平気。だって――」
私は笑う。
「この場所、あったかい」
光るツリー、包み紙の音、笑い声。
クノスマスは、今日もちゃんと、ここにある。