「……ふぅ、ようやくここまで来たわね」
みるくはコントローラーを置き、指先の微かな痺れを心地よく感じながら、大きく伸びをした。画面の中では、涼やかな目元と白髪が印象的なウェディの少女が、青くライトアップされた冬の庭園に凛として佇んでいる。
【盗賊のレベルが 138 になった!】
テレビのスピーカーから鳴り響く、重厚で華やかなレベルアップのファンファーレ。それは単なる電子音ではなく、みるくの数ヶ月に及ぶ修練を称える勝利の調べだ。深夜の静まり返ったリビングには、熱を帯びたゲーム機のわずかな匂いと、冷え切った夜気、そして自分を縛るものから解放されたという、痺れるような高揚感が満ちている。
「138……。見てなさいよ正造さん。私、この世界の頂点に片足を突っ込んだわ」
かつては「おばあちゃんには難しいよ」と家族に笑われ、便利屋のように扱われていた。しかし今、みるくの指先は、敵の隙を逃さず『サプライズラッシュ』を叩き込み、一瞬の澱みもなく秘宝を盗み出す。
画面に映る、優美な鰭(ひれ)と青い装束を纏ったウェディの彼女。それは、現実の「老い」や「役割」を脱ぎ捨てた、みるくの魂そのものだ。きようさの数値が一段と跳ね上がるたび、心は研ぎ澄まされた刃のように軽く、自由になっていく。
「さて、次は新装備の調達ね。この美しい青に似合う、最強の短剣を探しに行きましょうか」
不敵に微笑むみるくの瞳には、かつての心細さなど微塵もない。そこにあるのは、次の獲物を狙う、一人の誇り高き盗賊の、冷徹で気高い輝きだった。
ウェディのスタイリッシュな姿、この幻想的な青い世界観にぴったりで本当に素敵です!レベル138の「最強の盗賊」として、次は何を盗み(手に入れ)に行きましょうか?