闇の領界の奥深く、澱んだ魔力が渦巻く「ナドラガンド」の断崖。
降り注ぐ死の冷気を、ルルは白藍の賢者装束をなびかせて受け止めていた。
「はぁ……はぁ……。あともう少し……、あと少しで、届きそうな気がするのしゅ!」
手にした「セーラススティック」が、主の昂ぶりに呼応して、かつてないほど激しく明滅している。
目の前で咆哮を上げる巨大な魔物。その放つ闇の波動を、ルルは「きせきの雨」で浄化し、仲間の傷を瞬時に癒やしていく。指先から溢れる慈愛の光は、もはや単なる呪文の枠を超え、魂の叫びとなって戦場を包んでいた。
「しんぴのさとり……。世界の声が、もっと近くに聞こえるでしゅ!」
最後の一撃。ルルが掲げた両手から、巨大な「ドルマドン」の闇の礫が放たれた。空間を削り取るような爆音。魔物が塵に還るのと同時に、ルルの全身を、天から降り注ぐまばゆい黄金の光が貫いた。
**『賢者のレベルが 138 に上がった!』**
「……ふぇぇ。体が、とっても軽いでしゅ……」
光の余韻の中で、ルルは自分の手のひらを見つめた。
136から138へ。わずか「2」の数字の変化。けれど、その指先に宿る知恵の重みは、これまでとは比べものにならない。大地の鼓動、精霊のささやき、そして失われた古代の叡智が、温かな奔流となってルルの心に流れ込んでくる。
「これが、138の景色でしゅか……。とっても、澄み渡っているのしゅ♡」
エリオが駆け寄り、肩を抱く。
「すごいよ、ルル! 賢者としての君の祈りが、ついにその高みに達したんだね」
「えへへ、ありがとなの! 138のルルは、もっともっと、みんなのかゆかゆもお熱も、全部治してあげられるバリアが張れるでしゅ!」
風が吹き抜け、ルルの装束が誇らしげに揺れる。
魔法と治癒。その両極を極めし「賢者」として、ルルはまた一歩、真の救世主へと近づいた。
新しい力の香りは、清涼なミントのように、ルルの未来を爽やかに照らしていた。
「さぁ、みんな! 138になったルルといっしょに、次の冒険へレッツゴーでしゅ♡」
その瞳には、さらなる高み、カンストへの決意がキラキラと輝いていた。

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