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超一流防具鍛冶職人

みるく

[みるく]

キャラID
: UT055-558
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 盗賊
レベル
: 138

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みるくの冒険日誌

2026-02-04 21:25:30.0 テーマ:ハウジング

撮影場所「霊の実(マイタウンID:6714-8952)」

夕闇が溶け始めたマイタウンの空気は、少しだけひんやりとして、甘い土と夜の草花の匂いが混じり合っていた。

「……ふぅ。やってらんないわよね、本当に」

私は、水辺にぽつんと置かれた青い蝶のベンチに腰を下ろそうとして、思い直して立ち尽くした。指先が、まだ少しだけ震えている。鍛冶ハンマーを握りしめていたあの熱い感覚が、皮肉にも失敗の象徴として肌にこびりついて離れない。

防具鍛冶職人、レベルカンスト。
その肩書きが、今は重たい呪いのように感じられた。頭の中では完璧な手順が回っていたはずなのに。
それなのに、どうして。

「なんで『冷やしこみ』を2回も入れちゃうかなぁ、私」

口に出すと、情けなさが喉の奥で苦く弾けた。
初手で冷やすなんて、火力を上げるべき場面で氷水をぶっかけるようなもの。かつてないほどの大ポカ。結果は火を見るより明らかで、目の前には、輝きを失った★1の防具が3つ。まるで見捨てられたガラクタみたいに転がっていた。

「しっかり寝たはずなのにな……。あぁ、嘘。嘘ついた」

自嘲気味に笑うと、冷たい夜風が頬をなでた。
子供の頃から付き合っている、出来の悪い恋人のような睡眠障害。2時間も眠れれば上等、そんな夜を繰り返して、脳みそのどこかがいつも薄い霧に包まれているみたいだ。注意が指先から滑り落ちて、ADHDという不器用な性質と折り合いがつかなくて、自分に裏切られる感覚。

「あーあ。なんで普通にできないんだろ。なんで、普通に……」

視界が少しだけ滲む。でも、足元に目をやれば、のんきな顔をして転がっているカブの置物が目に入った。そのまるっこいフォルムを見ていたら、鼻の奥がツンとした。

「……まぁ、いいか。生きてるし」

そう。あんな大ポカをして、指先が震えるほど落ち込んでも、私は今、ここで夜の風を吸い込んでいる。心臓はちゃんと動いて、悔しさという感情を私に伝えてきている。

「まぁ、こんな日もあるさ。……ねぇ、そうでしょ?」

私は大きく伸びをした。関節が小さく鳴って、固まっていた体が少しだけ解(ほぐ)れる。
失敗した防具は素材に戻せないけれど、私の明日はまだ誰にも触れられていない。

「け・せら・せら。なるようになる。ならなきゃ、力ずくでしてやるわよ」

ドレスアップした蝶の羽を、ふわりと揺らす。
このマイタウンは、私が一番私でいられる場所。鍛冶場の熱風も、冷やしすぎた後悔も、ここには届かない。

「さぁて。今夜は職人の私じゃなくて、ただの妖精さん。……にな~れ♡」

くるりと一回転。
夜の帳(とばり)の中で、羽が燐光を放つ。
水車が回るコトコトという心地よいリズムと、遠くで鳴く虫の声。
湿った草の匂いをお腹いっぱい吸い込んで、私はまた、明日を笑う準備を始める。

「次は、最高に熱い温度で叩いてやるんだから」

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