幸せを敷き詰める家
ウエンディみるくは、水色のフリルが幾重にも重なったお気に入りのドレスの裾を何度もきゅっと手で握りしめ、冷え切った板張りの床を忙しなく行き来していた。目の前にはまだ少し隙間の目立つ広大なマイタウンのホールが広がっており、窓からは穏やかな昼下がりの光が差し込んでいる。いくら家具を置いても天井が高すぎてどこか寂しく見える気がして、彼女は上限枠まであと何個の庭具が置けるかを頭の中で必死に計算しながら、この場所を大好きなものでいっぱいにしたいと考えていた。部屋の隅に片付け忘れた昨日のおやつの包み紙が小さく丸まって落ちているのを見つけ、彼女は少しだけ肩を落とし、足元にいるサバトラの猫に向かって呟いた。
「ねえ、あなたならこの空いているスペースに何を置くのが正解だと思う?」
サバトラの猫はぷいと横を向き、緑色の絨毯の上に転がっていた小さな蛙の置物の方へと気ままに歩き去ってしまい、みるくは唇を少し尖らせて自分の縞模様の靴下のつま先を見つめた。ホールの天井からは淡い緑色に光るガラスの球体や黄金の鳥籠がいくつも吊り下げられており、それらが不思議な木漏れ日のような光を床に落としている。彼女はむかし冒険の途中で立ち寄った別の町の宿屋が、溢れんばかりのぬいぐるみや植物で飾られていてとても安心した思い出を引っ張り出し、あのとき感じた温かさをこの広い家の中でも再現したいのだと強く思った。そのとき、赤髪に大きな帽子をかぶった親しい友人が、オレンジ色のブーツを響かせて楽しそうにステップを踏みながら部屋へと飛び込んできた。
「みるく、今日もまた新しい飾りをたくさん増やして、まるでお城みたいに素敵にしているね!」
みるくはパッと目を丸くし、自分の胸の前で両手をぎゅっと合わせて彼女の賑やかなダンスをじっと見つめた。友人が空中へ元気よく飛び跳ねるたびに、長い木製テーブルの上に並んだ焼き立ての丸いパンや、黄色いオムライスから甘いトウモロコシの湯気がふわりと漂って鼻をくすぐる。ただ上限まで機械的に物を敷き詰めるだけでなく、こうして誰かが笑って跳ね回る気配が残ることこそが、幸せを感じる心を育む空間には一番大切なのだと彼女は深く納得した。みるくは木のスプーンを二本手に取り、温かいスープの器を彼女の方へと優しく押し出しながら声を弾ませた。
「ちょうど良いところにきてくれたわ、まずはこのお料理を一緒に食べてから、次の配置の相談に乗ってちょうだい」