みるくのマイ・タウン、常夏のひまわり
みるくの胸は、朝からずっと弾むようなお祭りの太鼓の音を立てていた。いつまでもジメジメした冬物のロープ編みセーターをクローゼットの奥へ押し込み、代わりにオレンジ色と黄色のグラデーションが鮮やかな、ひまわりのようなノースリーブの夏ドレスを引っ張り出した。
「よし、今日からここを私の南国リゾートにするんだから」
庭へ飛び出すと、生ぬるい風がみるくの白い髪をふわりと揺らした。手始めに、ずっと物置の隅で埃をかぶっていたオオハシと赤色マカウの木彫りの置物を取り出し、滝の流れる岩肌の蔦にバランスよく引っ掛けた。
「これでお客さんもびっくりするに違いないわ」
額から流れる汗を、お気に入りのイチゴ柄のタオルで乱暴に拭い去る。滝の飛沫がキラキラと光る様子を眺めていると、お腹がぐうと鳴った。
「やっぱり、模様替えの後は冷たいおやつが絶対に必要よね」
キッチンへ戻り、昨日から冷やしておいたスイカを半分に切り、大きなスプーンで真ん中の一番甘いところを贅沢にすくい取って口に放り込んだ。甘い果汁が喉を潤すのを感じながら、みるくは満足そうに笑った。
「あ、でも、食べ終わったら残った種はちゃんとゴミ箱に捨てなくちゃ、後でお母さんに怒られちゃうな」
みるくは自分の部屋に戻り、散らかった机の上の宿題のノートを少しだけ横に退けた。そして、庭の隅に新しく植える予定の真っ赤なハイビスカスの苗の数を、自由帳の隅っこに何度も書き殴った。
「明日になったら、もっとたくさんの花を咲かせて、みんなを招待してダンスを踊るんだ」