ガウシア樹海と消えた新品装備
ガウシア樹海へ入ったみるくは、黒い革帽子を深くかぶり、金色の金具がついた黒い上着の袖を引っ張った。湿った土と大きな葉の匂いが混じる森で、白い大剣を背負って魔物を倒すたび、宝箱が草むらへ転がった。最初の一個には目を輝かせたが、三十分で八個目が出るころには、机に置いた麦茶の氷もすっかり溶けていた。
「また白箱! うれしいけど、こんなに持てないよ!」
町へ戻ったみるくは、石造りの広場に座り込み、手に入れた装備を一つずつ取り出した。白箱の中身は似たような名前ばかりで、黒い手袋をはめた指が、捨てる、決定、捨てる、決定と急いで動いた。夕食に用意した鮭のおにぎりの海苔が湿っていることまで気になり、画面の確認文をほとんど読まずに押し続けた。
「はい、いらない。これもいらない。八個も出すぎなのよ」
最後の一個を壊した瞬間、聞き慣れない高い音が鳴り、みるくの指が止まった。持ち物欄にあるはずの買ったばかりの装備が見当たらず、何度並べ替えても、残っているのは古い品ばかりだった。背中に冷たい汗が流れ、机の隅で回っていた扇風機の風まで急に寒く感じられた。
「えっ、待って。今の、白箱じゃない。この前買ったやつだ!」
みるくは石床へぺたんと座り、白い大剣を脇へ置いて両膝を抱えた。近くにいた青い服の案内係は腕を組んだまま動かず、頭上の妖精だけが青い光の粉を楽しそうに振りまいている。確認すればよかった、ロックすればよかったと考えるたび、袋の中で鮭のおにぎりが小さく潰れた。
「普通は確認するだろうって? それができたら苦労しないのよ。私の指、頭より先に冒険するんだから」
そのとき、通りかかったフレンドが足を止め、みるくの隣に腰を下ろした。事情を聞いた彼は笑わず、まず温かいミルクティーを差し出してから、装備袋のロックの場所を一緒に確かめてくれた。甘い湯気を吸い込むと胸の奥の固いものが少しゆるみ、みるくは残った装備すべてに黄色い鍵をかけた。
「失敗した装備は戻らないけど、次の装備は守れるよ」
「うん。でも、買い直すお金が足りないかも」
「それなら、金策の冒険に出発だ」
みるくは潰れた鮭のおにぎりを頬張り、海苔を唇につけたまま勢いよく立ち上がった。失った品の値段を思うと胃のあたりがきゅっとしたが、ガウシア樹海にはまだ魔物も宝箱も待っている。白い大剣を背負い直したみるくは、今度こそ確認するため指差しまでしながら、フレンドと並んで走り出した。
「装備ロック、よし! 持ち物の空き、よし! 麦茶とおにぎり、よし!」
「目的は金策だよ。白箱に夢中にならないでね」
「八個出たら、今度は笑って持ち帰るもん!」
びえーん
トライドアーマー+3
できのよさ:★★★
1こ 3,569,990G
痛すぎる