福引300枚、仕方なく3枚購入
夕方、私は白い半袖シャツに水色のスカートを着て、冷たい麦茶を飲みながらパソコンの前に座っていた。机の上には朝食べたおにぎりの包み紙と、天馬の大剣の仕入れ値を書いた帳面が残っている。今日はキラゴルドコインが必要だったので、貯めていた福引券300枚を使って、自分で当てようと福引を始めた。
「三百枚もあるんだよ。一枚くらい出てよ!」
最初は景品が出るたびに画面を覗き込み、次こそはと福引券を使っていった。百枚使っても出ない、二百枚使っても出ない、それでも残りの券を見ながら「まだある」と自分に言い聞かせた。ところが最後の一枚まで引き終わっても、キラゴルドコインは一枚も当たらなかった。
「……三百枚、全部使ったのにゼロ?」
私はマウスから手を離し、椅子の背にもたれた。冷たい麦茶を飲むと氷がカランと鳴り、机の端に置いた塩せんべいの袋が妙に大きく見える。けれど、必要なコインは一枚も手に入っていない。
「もう、仕方ない。バザーで買うしかないよ」
私はバザーを開いて価格を確認した。キラゴルドコインは412,000G、412,500G、412,650Gで並んでいて、三枚買えば合計は1,237,150Gになる。高いけれど、必要な三枚だったので、私はためらいながら購入ボタンを押した。
「一枚、412,000G……二枚目、412,650G……三枚目、412,500G……」
購入を終えて合計金額を確認すると、画面には1,237,150Gという数字が出ていた。私はしばらく黙ってその数字を見つめ、それから椅子の背にもたれ直した。三百枚の福引券を使って一枚も当たらず、仕方なくバザーで三枚買ったのだから、大きな出費になるのは当然だった。
「福引で当たってくれれば、こんなに払わなくてよかったのに……」
私は冷蔵庫からプリンを取り出し、スプーンでカラメルをすくって口に入れた。甘い味が広がると少しだけ気持ちが落ち着き、帳面を開いて「福引300枚、当たり0枚、仕方なく3枚購入」と書き込んだ。その横には、赤い鉛筆で小さく「破産フラグ注意」と付け足した。
「でも、必要だったんだから仕方ない!」
空になったプリンのカップを台所へ運び、私はもう一度パソコンの前へ戻った。三枚のキラゴルドコインは、ちゃんと手元にある。福引では見事に外したけれど、ここまでお金を使ったなら、今度はこの三枚を無駄にしない。
「よし、気持ちを切り替えよう。みるく、冒険開始!」
窓の外では夏の風が洗濯物を揺らしていた。私は装備を確認し、三枚のキラゴルドコインを大切にしまって、次の冒険へ向かった。