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超一流防具鍛冶職人

みるく

[みるく]

キャラID
: UT055-558
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 盗賊
レベル
: 140

ライブカメラ画像

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みるくの冒険日誌

2026-08-21 01:25:16.0 テーマ:ハウジング

撮影場所「霊の実(マイタウンID:6714-8952)」

三十本のマスカットリップと望郷の花束

ひまりは銀色の鎧の裾を揺らし、旅人バザーの前で財布を両手に抱えていた。朝から何も食べずに買い物を続けたせいで、焼きたてのパンと串焼きの匂いが風に乗るたび、おなかが情けない音を立てる。けれど、スカットの花束を手に入れるには、マスカットリップが三十本必要だった。四本、二本、また二本、次は八本と、安い出品を見つけては買ったため、頭の中の数がだんだん怪しくなっていた。

「二十七、二十八、二十九……あれ、二十九の次は二十九だっけ?」

「三十だよ。冒険より先に算数をやり直したほうがいいんじゃない?」

隣で数えていたプクリポの友達が、蜂蜜を塗った丸パンをかじりながら答えた。ひまりは一口だけもらおうと手を伸ばしたが、友達は素早くパンを背中へ隠す。鎧の下に着た白いブラウスは汗ばんでおり、首元には市場で買った花の青臭い香りが染みついていた。それでも購入履歴をもう一度確かめると、マスカットリップはきちんと三十本あり、使ったお金は十八万五千四百八十ゴールドだった。

「花束ひとつに十八万以上……食堂なら何回おかわりできたかな」

「今さら数えたら負けだよ。それに、花は食べられないからね」

「マスカットって名前なのに?」

「かじるなよ。絶対にかじるなよ」

二人は素材を抱えて交換所へ向かったが、途中でスライムの群れに囲まれた。ひまりが剣を抜こうとすると、抱えていたマスカットリップが床へ散らばり、緑色の花がころころと坂道を転がっていく。慌てて追いかけたひまりの銀靴が一輪を踏みそうになり、友達が腹ばいになって受け止めた。その横をスライムたちは楽しそうに跳ね、戦うどころか花を一列に並べ始めた。

「もしかして手伝ってくれてる?」

「たぶんね。でも一匹、口に入れてるよ」

「こらっ! それ一輪で六千ゴールドくらいするんだから、吐き出して!」

スライムを追い回した末、二人は唾液でぬるぬるになった一輪まで回収した。交換所の係員は眉を寄せたものの、三十本を数えて受け取り、赤いリボンを結んだ大きなスカットの花束を渡してくれた。ひまりは屋敷へ戻ると、岩壁の前に花束を三段に積み上げた。夕食用に買ったアジの開きは紙袋の中ですっかり冷めていたが、白銀の鎧の周りで淡い緑の花がきらきら光るのを見ると、空腹を忘れて頬が緩んだ。

「これが『望郷』かあ。帰りたい場所がある人に似合う花なのかな」

「ひまりの場合、帰りたいのは食堂じゃない?」

「そうだった。撮影が終わったら、ご飯!」

花束の前で胸を張った瞬間、ひまりのおなかが屋敷中に響くほど鳴った。友達は笑いながら丸パンの残りを差し出し、ひまりは半分だけのつもりで全部を口へ入れた。望郷という立派な花言葉より、今の彼女には焼けた小麦と蜂蜜の甘い匂いのほうが、ずっと故郷らしく感じられた。

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