枯れなかった畑の大収穫
朝の光が庭へ差し込むと、みるくは薄桃色のしま模様の上着と短いズボンに着替え、五つの畑を順番に見て回った。白い髪は寝癖で右側だけ跳ね、口には朝食のバタートーストをくわえたままだった。湿った土と焼けたパンの匂いが混じる中、最初に調べたみるくの畑では、大きな花が金色の光に包まれていた。
「オーロラが四本、スカイブルーが二本、それからレタスが十個なのら!」
案山子の頭に乗った黄色い鳥が、祝福するように羽を広げた。みるくは土のついた指で何度も数え直し、帳面へ「四、二、十」と大きく書いた。オーロラは光を受けるたび、白、桃色、青へと色を変え、スカイブルーは晴れた空を切り取ったように輝いていた。
「昨日は一本もないと思ったのに、ちゃんと咲いていたのですね」
「だから収穫前に泣くのは早いんだよ」
「泣いていないのら。目に畑の砂が入っただけです」
ところが、サブのみるくたちが育てた畑へ向かうと、景色は少し違っていた。花も野菜も枯れてはいなかったが、主役のオーロラはなく、丸々太ったレタスばかりが朝露をまとって並んでいる。二号のみるくは水色のじょうろを置き、昨夜から持ち歩いていた冷たい焼き芋を半分に割った。
「フレンドがいないから、誰も水やりに来ないのです」
「肥料も自分たちだけでした」
「やはりサブで畑をするのは無謀だったのら?」
三号がレタスの葉をめくると、中から小さな芋虫が顔を出した。四号は芋虫へ「君だけは毎日来てくれたのですね」と話しかけ、五号は食べかけの焼き芋を慌てて背中へ隠した。みるくは五つの畑を見渡し、昨夜、眠い目をこすりながら一軒ずつ水をやって回ったことを思い出した。
「でも、一本も枯れていません」
「水やりを忘れなかったからです」
「レタスなら十個どころか、みんなで山ほど食べられますよ」
みるくたちは籠を持ち出し、ぱりぱりと音を立てるレタスを収穫した。台所へ運ぶ途中で一個が坂道を転がり、五人と案山子と黄色い鳥まで加わって追いかける大冒険になった。ようやく捕まえた頃には昼を過ぎており、木の机に置いた味噌汁はすっかり冷めていた。
「オーロラは少なかったけれど、枯らさなかっただけましなのかな」
「ましどころか、大成功ですよ」
「今夜はレタス料理なのら!」
「サラダですか?」
「レタス炒め、レタススープ、レタス包み、それからレタスの浅漬けです」
五人は収穫したレタスを抱え、光るオーロラの前で記念写真を撮った。フレンドの訪れない畑でも、毎日の水と肥料は土の中へ残っていたのである。みるくは次の種を取り出し、案山子の横へしゃがみ込んだ。
「今度も五つの畑で挑戦するのら」
「またレタスだらけになったら?」
「そのときは、レタス専門店を開きます」