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超一流防具鍛冶職人

みるく

[みるく]

キャラID
: UT055-558
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: ストームカイザー
レベル
: 140

ライブカメラ画像

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みるくの冒険日誌

2026-08-30 01:48:11.0 テーマ:写真活動

撮影場所「ブーナー熱帯雨林」

天地始粛と月夜の小鰺

 処暑を過ぎたアストルティアの夜、みるくは銀色の兜と淡い水色の鎧を身につけ、月明かりの差す山道を歩いていた。昼間は石畳が焼けるほど暑かったのに、今夜は白い髪の間を抜ける風がひんやりとして、鎧の下に着た木綿の肌着の汗を乾かしていく。道端では細長いススキが揺れ、草むらから聞こえる虫の声が、遠くの滝の音よりも大きかった。みるくは背負った丸い盾の位置を直し、夜空に浮かぶ満月を見上げた。
「天地始粛とは、こういう夜のことなのら。夏の大将も、ようやく少し静かになったのらね」

 今回の目的は、海辺の村へ薬草を届けることだった。袋の中には月光草が十束と、毒消し草が五束、それから宿屋のおかみが持たせてくれた小さな鰺のから揚げが紙に包まれている。おかみは朝から揚げ物をしていたため、花柄の割烹着にも髪にも香ばしい油の匂いが染みついていた。薬草より先にから揚げを渡そうとするので、みるくは何度も袋の中身を確かめた。
「おかみさん、これは旅のおやつで、村へ届ける薬ではないのらよ」
「分かっているよ。けれど、腹が減った勇者は薬草の束までかじるって、昔から決まっているんだ」

 山道の途中で、岩陰から三匹のアルミラージが飛び出した。みるくは慌てて盾を構えたが、先頭の一匹は攻撃せず、鼻をひくひくさせながら荷物袋を見ている。紙包みから漏れた小鰺の匂いを嗅ぎつけたらしく、残りの二匹まで後ろ足で立ち上がった。みるくは剣の柄から手を離し、腰に下げていた乾燥にんじんを一本取り出した。
「から揚げは駄目なのら。あなたたちには、こっちのにんじんをあげるのら」
「キュイッ」
「三匹で一本だから、きちんと分けるのらよ。取り合いをしたら、次からは持ってこないのら」

 アルミラージたちと別れてしばらく進むと、谷から冷たい風が吹き上がり、みるくの腕に細かな鳥肌が立った。山小屋で休もうと扉を開けると、古い卓上には飲みかけの麦茶、片方だけの手袋、角の折れた冒険者名簿が残されていた。かまどの灰にはまだぬくもりがあり、少し前まで誰かが休んでいたらしい。みるくは椅子へ腰を下ろし、兜を脱いで白い髪を指でとかした。
「誰もいないけれど、ちょっとだけお邪魔するのら。椅子を借りたお礼に、床の砂を掃いておくのらね」

 ほうきで床を掃いたあと、みるくは小鰺のから揚げを一尾取り出した。冷めていても衣はさくりと鳴り、噛むと魚のうまみと薄い塩味が舌へ広がった。骨まで柔らかく揚がっているので、疲れた体でも食べやすく、油の香りの向こうにほのかな生姜の風味があった。水筒の麦茶を飲むと、歩き続けて熱を持った喉がすっと冷えた。
「豪華なごちそうではないけれど、今夜の体にはこれくらいがちょうどいいのら。おかみさんは、やっぱり分かっていたのらね」

 そのとき、山小屋の外から杖を引きずる音が聞こえた。扉を開けると、薬草を待っている海辺の村の老人が、息を切らして立っていた。村の子どもが熱を出したため、待ちきれず迎えに来たという。みるくは残っていた小鰺のから揚げを老人へ渡し、薬草袋を抱え直した。
「これを食べてから戻るのら。急いで歩いて転んだら、薬を待つ人がもう一人増えてしまうのらよ」
「しかし、これはあんたの夕飯だろう」
「私はさっき一尾食べたのら。一尾で月まで歩けそうな力が出たから、心配いらないのら」

 二人が村へ着く頃には、荒々しかった風もすっかり静まり、海面に満月の光が揺れていた。薬草を煎じる匂いが診療所から漂い、隣の家では干していた手ぬぐいを取り込む音がしている。みるくは鎧を脱いで借りた薄手の浴衣に着替え、縁側へ腰を下ろした。老人が皿へ残しておいてくれた最後の小鰺を半分に割り、二人で虫の声を聞きながら食べた。
「夏が終わるのは、少しだけ騒がしいものだと思っていたのら」
「いや、夏というものは、気づかれないように荷物をまとめて出ていくものさ」
「それなら今夜は、追いかけずに見送るのら。天地始粛の月に乾杯なのら」
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