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超一流防具鍛冶職人

みるく

[みるく]

キャラID
: UT055-558
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 盗賊
レベル
: 140

ライブカメラ画像

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みるくの冒険日誌

2026-08-30 17:54:00.0 テーマ:ハウジング

撮影場所「霊の実(マイタウンID:6714-8952)」

織姫の消えた冒険日誌

八月三十日、みるくは冷蔵庫から麦茶を出し、前日の残りの塩むすびをかじりながら、八月七日に書いた冒険日誌を開いた。月遅れの七夕を楽しんだ日の記録で、題名は「マイタウンに織姫が舞い降りた日」だった。撮影場所には「霊の実、マイタウンID六七一四―八九五二」と残っているのに、その下にあるはずの写真は灰色の印へ変わり、織姫姿のみるくも、大きな吹き流しも、夜空を彩った星飾りも消えていた。白いTシャツの袖で口元の米粒を払い、何度も読み込み直したが、画面は変わらなかった。

「まだ一か月もたっていないのら。織姫は天へ帰るにしても、写真まで持って帰らなくていいでしょう」

その夜、みるくは冒険者仲間を「霊の実」へ呼び、七夕の庭を一緒に歩いた。白と水色の羽衣を重ねた織姫のドレスに着替えると、袖から甘い香油の匂いが漂い、草むらでは夏の虫が忙しなく鳴いていた。ところが仲間は日誌の文章だけを読んできたため、どの吹き流しの前にみるくが立ち、どんな角度で星空を撮ったのか分からなかった。広場の端には片づけ忘れた空のジュース瓶が一本転がり、風が吹くたびに石畳の上で乾いた音を立てていた。

「この紫の飾りが、日誌に書いてあった大きな吹き流し?」

「違うのら。そっちは天の川を表したカーテン。写真があれば一目で分かるのに」

翌日、みるくは過去の日誌を古いものから確かめてみた。花畑の話には花がなく、ハウジングの紹介には家がなく、ドレアの記録には服を着た本人がいなかった。机の上では冷めた味噌汁に白い膜が張り、洗濯機が終了を知らせる音を三度も鳴らしていたが、みるくは椅子から立てなかった。文章は残っていても、色や形を見せるために書いた日誌から写真を抜けば、家具のない展示場で案内だけを読ませるようなものだと思った。

「この壁には青い花を飾りました、と書いてあっても、壁も花も見えないのら。これでは初めて来た人に、何のことか伝わらないよ」

「だから、みんな冒険日誌から離れていくのかな」

みるくは答えず、ようやく洗濯物を取り出した。湿ったタオルをベランダへ干すと、外では赤や黄色のオシロイバナが今を盛りと咲き乱れ、むっとする土の匂いに甘い香りが混じっていた。その花も写真に撮ればいつか消えるかもしれなかったが、見なかったことにはしたくなかった。みるくは「霊の実」へ戻り、七夕の庭具を一つずつ撮り直して、家具の名前や色や置いた場所まで新しい帳面へ書き留めた。

「消されるたびに作り直すのは、正直くたびれるのら。でも、ここに織姫が舞い降りた日は、本当にあったんだよ」

九月を前にした夕暮れ、みるくは七夕の広場で最後の一枚を撮った。今度は写真だけに任せず、白と水色の羽衣、金色の髪飾り、背後に置いた紫の吹き流し、足元の星明かりまで文章に残した。消えた写真は戻らず、冒険日誌を離れた人たちもすぐには帰ってこない。それでも公開ボタンを押したみるくは、ぬるくなった麦茶を飲み干してから、誰も写っていない古い日誌へ小さく話しかけた。

「おかえり、織姫。今度は写真が消えても、あなたの着ていたものまで忘れさせないのら」
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