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超一流防具鍛冶職人

みるく

[みるく]

キャラID
: UT055-558
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 盗賊
レベル
: 140

ライブカメラ画像

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みるくの冒険日誌

2026-08-30 18:03:16.0 テーマ:ハウジング

撮影場所「霊の実(マイタウンID:6714-8952)」

思い出アルバムにも家賃がいる

みるくは七夕の日誌を閉じたあと、「思い出アルバムの拡張」という文字を見つけ、白いTシャツの襟を指で引っぱった。基本の保存枚数を超えて写真を残したければ、百枚につき月額二百二十円、最大三枠で六百六十円が必要だという。机の上では冷めた味噌汁の横に電気料金の明細と買いかけの庭具を書いた帳面が重なり、扇風機からは細かな埃の匂いがした。みるくは財布から百円玉を六枚と五十円玉を一枚、十円玉を一枚取り出し、画面の前へ並べた。

「写真を百枚置いておくだけで、毎月二百二十円なのら。思い出にも家賃がいるなんて、せちがないのー」

「三枠借りれば三百枚も増えるよ」

「でも、何年払っても昔の写真は戻ってこないでしょう。なくなった織姫を、お金で呼び戻せるわけじゃないのら」

みるくは椅子の背へ掛けていた薄桃色のカーディガンを羽織り、さらに古い冒険日誌を開いた。そこには「二〇一四年三月七日 はじめて僧侶になった!」という題名が残っていた。初めて僧侶の服を着た日、慣れない回復呪文を使い、仲間の後ろを必死に追いかけたことが文章には書かれている。しかし、証拠だった写真の場所には何もなく、十二年前のみるくがどんな帽子をかぶり、誰と並んで笑っていたのか確かめられなかった。

「ほら、ここにも写真があったはずなのら。あの頃の僧侶服、頭に何をかぶっていたっけ」

「覚えていないの?」

「覚えていたら写真を撮らないよ。忘れるから残したかったのら」

その晩、みるくはマイタウン「霊の実」の台所で、焼きすぎて端が黒くなった目玉焼きをパンに挟んだ。黄身の匂いと焦げたバターの匂いが部屋に残り、流しには朝から洗っていない麦茶のコップが二つ並んでいた。食べながら料金を計算すると、一枠なら一年で二千六百四十円、三枠なら一年で七千九百二十円になる。それだけ払っても、二〇一四年の僧侶写真は帰ってこないと分かり、みるくはパンの耳をいつまでも噛んでいた。

「びえーん。未来の写真を守るために払うのに、過去の写真は助けられないのら」

「これから撮る写真を、自分で保存しておけばいいんじゃない?」

「その頃のわたしに教えてあげたいよ。十二年後には消えているから、ちゃんと別にしまっておけって」

翌朝、みるくは橙色の僧侶服に着替え、十二年前と同じ題名で新しい写真を撮ることにした。古い写真と同じ姿にはできなかったので、茶色い帽子をかぶり、白い杖を持ち、庭の花籠の前へ立った。撮影を終えると、写真をアルバムへ入れるだけでなく、服の名前、撮影場所、一緒にいた仲間、その日に食べた焦げた目玉焼きまで帳面へ書いた。窓の外ではオシロイバナが赤や白の花を広げ、濡れた洗濯物から石けんの匂いが流れてきた。

「これは二〇二六年の、もう一度はじめて僧侶になった日なのら。十二年前の一枚には代われないけれど、今日のわたしがいた証拠にはなるよ」

公開ボタンを押したあと、みるくは写真の保存先を三つに増やした。月額料金の三枠ではなく、パソコンの中と別の記録場所と、言葉で残す冒険日誌の三つだった。消えた写真の中にいた昔のみるくは戻らなかったが、「はじめて僧侶になった!」という題名だけは、十二年を越えて今のみるくへ届いていた。みるくは六百六十円分の硬貨を財布へ戻し、灰色になった写真欄へ向かって鼻をすすった。

「昔のみるく、写真は消えちゃったけれど、冒険を始めた日は消えていないのら。だけど運営さん、せめて日誌に載せた写真くらい、家賃なしで残しておいてくださいよー」
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