第8話 妖精ミルキーの秘密
「……カギヤマン」
闇の世界から戻った夜。
ミルキーは、いつになく静かだった。
「どうしたんだ、ミルキー?」
「……私、カギヤマンに話さなきゃいけないことがあるの」
「話さなきゃいけないこと?」
ミルキーは少しうつむく。
「うん。ずっと秘密にしてたこと……」
カギヤマンはミルキーを見つめる。
「俺に言えないことって何だ?」
「実は……」
ミルキーが小さく息を吸う。
「カギヤマンが魔法少女になったのは、偶然じゃないんだ」
「……え?」
カギヤマンは目を丸くした。
「どういうことだ?」
「私が、カギヤマンを選んだの」
「ミルキーが!?」
「うん」
ミルキーは語り始めた。
「この世界には、人々の心から生まれる『心の光』があるの」
「心の光……」
「それを守るのが、妖精と魔法少女の役目なんだよ」
ミルキーは遠い昔を思い出すように話す。
「でも、ある日……闇の魔力が現れたの」
「もしかして……ダークルミナも?」
「そう。闇の魔力は、ルミナの心まで包み込んでしまった」
カギヤマンは拳を握る。
「だったら、どうして俺を選んだんだ?」
ミルキーはまっすぐカギヤマンを見る。
「カギヤマンが持っていたから」
「何を?」
「誰かを守りたいっていう、強い心を」
「俺が……?」
「うん」
ミルキーは笑った。
「最初は魔法少女になることを嫌がってたけどね」
「うっ……それは……」
「『俺が魔法少女!?』って、すごく驚いてたよね!」
「それは言うなぁぁぁ!」
二人は思わず笑う。
しかし――。
ミルキーの表情が再び真剣になる。
「でも、もう一つ秘密があるの」
「まだあるのか!?」
「うん」
ミルキーは胸元に手を当てる。
「私も……昔、闇の魔力に負けたことがあるの」
「えっ!?」
「そのとき、私を救ってくれた魔法少女がいた」
「誰なんだ?」
ミルキーは少し寂しそうに笑う。
「それが……ルミナのお母さんなの」
「ルミナの……お母さん?」
カギヤマンは驚いた。
「じゃあ、ルミナも最初から魔法少女になる運命だったのか?」
「ううん」
ミルキーは首を横に振る。
「ルミナ自身が、自分の意志で魔法少女になったの」
「……そうだったのか」
その瞬間――。
ドクン!
ミルキーのペンダントが黒く輝いた。
「ミルキー!?」
「……この魔力は!」
空に黒い魔法陣が浮かぶ。
そして、そこから声が響いた。
「ようやく話したか、妖精ミルキー」
「あなたは……!」
ミルキーの顔が青ざめる。
「知ってるのか!?」
「うん……」
ミルキーは震えながら答える。
「この声の主は……闇の魔法を操る者」
黒い魔法陣の奥で、巨大な影が笑う。
「カギヤマン。お前がプリズムフォームを手に入れたことで、計画は最終段階へ入った」
「計画だと!?」
「そして、ダークルミナもいずれ完全な闇に染まる」
「そんなこと、させるか!」
カギヤマンが杖を構える。
「俺は絶対にルミナを助ける!」
影は笑う。
「ならば来るがいい」
黒い魔法陣が大きく開く。
「我が名は――ダークキング」
「ダーク……キング……!」
ミルキーが叫ぶ。
「カギヤマン、逃げて!」
「嫌だ!」
カギヤマンは一歩前へ出る。
「ルミナを助けるためなら、俺は戦う!」
ダークキングの声が響く。
「ならば見せてみろ。お前の『心の光』を」
魔法陣が消える。
静けさが戻った。
カギヤマンは空を見上げる。
「ダークキング……」
ミルキーが隣に来る。
「カギヤマン……これから、もっと大きな戦いになるよ」
「分かってる」
カギヤマンは杖を握る。
「でも、俺にはミルキーがいる」
「カギヤマン……」
「それに、ルミナも待ってる」
カギヤマンは力強く笑った。
「絶対に二人とも守ってみせる!」
ミルキーも笑顔になる。
「うん!」
二人の前に、四つのプリズムの光が輝く。
しかし――。
遠く離れた闇の城では、ダークルミナが黒い魔法の中に立っていた。
「……カギヤマン……」
その瞳には、ほんの少しだけ光が戻っていた。
――つづく。

次回予告
「ついに姿を現した最強の敵、ダークキング!」
「俺が……あいつと戦うのか!?」
「カギヤマン、気をつけて!」
「ルミナを取り戻すまで、絶対に負けない!」
次回、第9話『最強の敵・ダークキング登場』
「闇の王との戦いが、ついに始まる――!」
闇の王と戦う前に◯んどるやないかーい!
わあわあ言うとります。
お時間です。