数日以上に及ぶ基礎体幹トレーニングは、もう完全に慣れたような物だった。
砂ではいつものように大爆走、
岩は両手持ち上げでダッシュ、ダッシュ。
丸太はパチコーンッ!!と叩き割っていった。
ザフィーラさんは、この様子の僕を見て
『そろそろ、頃合いかねぇ。』と言っていた。
……それから数日後。
ザフィーラさんが、声をかけてきた。
『アイルミ、お前の体幹は今や鬼の如しだ。
今のお前なら……うん。』
(たぁんっ、と拳を合わせ)
『私と、やろう。1対1の、2本先取だ。』
……どうやら、これがザフィーラさんからの
『皆伝テスト』みたいだ。僕は勿論受けて立った。
流石はオーガ、持ち前の力は最前級だ。
でも、不思議と……「耐えられる」そう思った。
「ッ……!!」
小さな身体の中心に、大きな拳が突き付けられた。
……その小さな身体は、全く怯みはしなかった。むしろ……
「ッァァァ!!」
小さな身体の、数日の特訓で得た体幹から放たれた拳が、鬼の膝へと叩き込まれた。
『ぐぁぁぁっ!』
……まわりが、ざわついた。
それもそのはず、このザフィーラさんは古代格闘術の血筋の末裔。その鬼が、断末魔をあげたのだから。
……………………………………
『かーっ!!負けたかァ~~ッ!』
ザフィーラさんが、そう言った。
『アイルミ!お前の身体は、これ以上私には鍛え上げられない。
【皆伝】とするよ。よくやったね!』
ついに、僕はザフィーラさんとの特訓を全て終わらせたらしい。
『よし、そんな私の可愛い弟子にはご褒美をやらないとねぇ。』
そう言って、ザフィーラさんは1つの箱を持ってきた。
中には、綺麗な蒼穹の、黒と濃い青色が入ったゴーグルが入っていた。
『私の趣味の一環で、アクセサリーを作らせて貰ったよ。
これは私からの旅路応援品だ!』
……早速身に着ける。流石ザフィーラさん、凄い。
頭にジャストフィットするし、目に着けてもズレない。
『……そうそう、私の戦友にザギロンっていう奴がいてね。
アイツの筋肉には、私も一目惚れしちまったんだ。
紹介状を書くから、良かったら行ってみるといい。
あいつは今、ラッカランのコロシアムにいるって聞くねぇ。』
どうやら僕は次に会う人が筋肉モリモリマッチョマンのレスラーみたいだ。
……ザフィーラさん以上の筋肉なのか?
「ありがとうございました!!」
そう言って、僕はゴーグルをカチャッとかけて……ラッカランへ向かった。
さて、次は何があるのやら。楽しみだね。