大地の箱舟が、到着の汽笛を鳴らす。
『娯楽島ラッカラン駅~、娯楽島ラッカラン駅です。お降りの際は、足元に細心の注意を払った上で、
くれぐれもお気を付けください。』
……悩んでいる内に、着いたみたいだ。
ガートラントからラッカランって、結構遠いと
思うんだけど……一瞬で着いた気がする。
僕は早速コロシアム方面を目指して歩く。
きらびやかな飾り達が、太陽くらいに眩しくて…
もし夜なら昼に見えてたかもしれない。
道すがら、コロシアムの試合を見終わったであろう
観客さん達が盛り上がっているのを聞いた。
「今日の試合、マジでアツかったよな!」
「だよなだよな!やっぱりザギロンは最高だぜ!
あの必殺投げ『キングダムバスター』は!
(身振り手振りを振り回して)
ライオンのように構えて、相手に突撃して、
がっしり掴まえて地面に頭から叩き付ける!
まさに【烈風の赤獅子】だな!見られてよかった!」
「オーガだからこそ出来るあの筋肉を寸分の乱れも
余りも無く扱ってるよなぁ……俺達も出来るかな!」「いやぁ、どうだろうなぁ~~?」
…………ザギロンさんはどうやら、【烈風の赤獅子】という異名があるみたいだ。
烈風の……赤獅子。オーガ。赤獅子。
……烈風?烈風の?素早いのだろうか?
そんな事を考えていたら、いつの間にか僕は
コロシアム玄関前に到着していた。
ギギギ……と重い扉が門番の手で開かれる。
半円の形をしたコロシアムロビーが、僕を出迎える。『ザギロンさん、お疲れ様でした。次の
対戦予定ですが……』
「(腕をクロスにブンッ!ブンッ!と振りながら)
おうッ!次の挑戦者がいるのか?どんな相手でも
投げ飛ばしてやる!」
『血気盛んなのは良いですが、次は休憩です。
今のうちに回復しておいてください。』
「(腰に両手を当てて)ガッハッハ!では、
その時間で筋肉も休ませてやらんとな!」
『だからといって、「汗拭きだ」なんていいながら
重りを付けるのはダメですからね!』
…………すごい脳筋だ。でも、あの人から凄い技を
学べる気がする……
そう思いながら、僕はコロシアムを歩く。
まずは……うん、あのマネージャーさんに声かけ
から始めないとね。