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願いのはぐれメタル

シノ

[シノ]

キャラID
: CZ053-962
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 魔法使い
レベル
: 136

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シノの冒険日誌

2026-06-21 07:16:38.0 2026-06-21 07:27:38.0テーマ:写真活動

『止まった時計』

私が以前
旅の途中で滞在していた
大きな地下帝国の街の外れに

小さな時計屋さんがありました


店内には
壁掛け時計 置時計 腕時計などなど
所狭しと並んでいましたが

その中に一つだけ
今でもどうしても
忘れられない時計がありました

それは銀色の懐中時計でした


ほかの時計よりもずっと美しく
まるで月の光を閉じ込めたように
輝いていました
私は毎日のように店を訪れては
その時計を眺めていました

そして
不思議なことに気づきました

私が話しかけると
その時計は必ず音を立てるのです

「さっきね、可愛いおおきづちに会ったんだよ。」

ちく。

「あれ?よく考えたらブラウニーだったのかも?」

ちく。

もちろん偶然でしょう
時計ですから

でも当時の私には
本当に返事をしてくれているように
感じられました

旅人の私にとっては大変高価な品でしたが
近いうちにもらえるクエスト報酬で
買うつもりでした

そんなある日
店主が言いました

『その時計には
対になる金色の時計があったんですよ』

金色の時計は
どこかに失われてしまったようです

そして銀色の時計は
一日に一度だけ
かつて金色の時計と
時刻を合わせていた時間になると
必ず針を止めるのだとか


それを聞いて私は
買うのをやめてしまいました

その時計には
私には埋められない時間が
ある気がしたからです



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



それから数年後

私は再びその街を訪れました

懐かしくなって時計屋をのぞくと
銀色の時計はまだ店にありました

少しも色褪せてはいませんでした

「こんなにきれいなのに
まだ売れていなかったんだ」

私がそう言うと

ちく。

時計が音を立てました

店主は目を丸くしました

『動いた……』

「え?」

『あなたが来なくなってから
その時計は ずっと止まっていたんです
修理しても動かなかったのに』

店主は銀時計を見つめました

『あなたを待っていたのかもしれませんね』


その夜
私は宿で長いこと考えました

考えて 考えて 考えました

もし私があの時計を買えば
きっと心から大切にするでしょう

でも…。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


翌朝私は時計屋へ行きました

「やっぱり買いません」

店主は露骨にがっかりしました

『どうしてですか』

「いつか金色の時計が
戻ってくるかもしれないですから」

『戻ってくる保証なんてありませんよ』

「それでも」


「止まってしまった時間まで
引き受ける覚悟がないなら
その時計を持つべきじゃない……
私はそう思うんです」

店主はため息をつきました

『難しいお客さんですね』

「よく言われます」

私は丁寧にお礼を言って
店を出ました 背中の向こうで

ちく。

時計の音が聞こえました

私は振り返りませんでした

振り返ってしまったら
きっと私は
君を連れて旅に出ようと思ってしまうから


「金色の時計さんが
見つかることを願ってるよ」

「……あるいは。
君を本当に持つべき人が、ね」
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