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願いのはぐれメタル

シノ

[シノ]

キャラID
: CZ053-962
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: 僧侶
レベル
: 139

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シノの冒険日誌

2026-07-14 07:17:25.0 2026-07-14 19:06:57.0テーマ:その他

#05『メルサンディの子どもたち』

レンダーシアの西
のどかな田園地帯が広がる豊かな土地の片隅に
メルサンディという村があるのをご存知ですか? とても小さな村ですが、
私にとっては色々な意味で
思い出深い村です。

以前旅の途中に
この村に1ヶ月ほど
滞在していたことがありました。

当時、広場にはいつも遊んでいる
3人の子どもたちがいました。

男の子が1人と、女の子が2人。

3人はいつも一緒でした。

鬼ごっこをしたり、
木登りをしたり、
ときには冒険者ごっこをしたり。

私が広場を通るたび、
3人は駆け寄ってきました。

    『お姉ちゃん!今日はどこに行ってたの?』    『魔物と戦った?』
    『お土産は?ねえお土産はある?』

最後の質問だけは、
毎回少し困りました。

私は毎日のように
3人に旅の話を聞かせていました。

「この前ね、珍しい白黒な
 おおきづちを見たんだ」

    『それ、おおきづちじゃなくて
     ブラックチャックじゃない?』

「え?」

    『お姉ちゃん、前も間違えてたよ』


私はよく笑われていました。

私が村を離れるときには、
3人に大泣きされてしまったのも
胸に沁みる想い出になっています。 それから数年後の、今。


再び旅を始めた私は、
懐かしくなって最近その村を訪れました。

広場は昔と変わっていませんでした。

でも。

あの子どもたちは2人しかいませんでした。
男の子と女の子です。

2人は広場の隅で、
楽しそうに話をしていました。

すっかり成長して大人びていました。

ふいに後ろから声がしました。

     『旅のお姉さんじゃないか』

振り返ると、宿屋の主人でした。

「お久しぶりです」

とりとめのない話をしつつ、
広場を見ながら尋ねました。

「もう1人、女の子がいましたよね?」

宿屋の主人は、
少し困ったような顔をしました。

     『あの子なら、ご家庭の事情で
      グランゼドーラへ出稼ぎに出たよ』


私は広場を見ました。
2人は相変わらず楽しそうに話をしています。

「そうだったんだ」

     『あの2人も最初は
      ずいぶん寂しそうだったよ』

私は静かにうなずきました。

しばらくすると、2人が立ち上がりました。



そして、
自然に手をつないで歩き始めたのです。


私は少しだけ目を丸くしました。

どうやら、私が旅をしていた間に
ずいぶん仲良くなったようです。

もちろん、昔から仲は良かったのですが
なんというか、以前とは違う感じの仲の良さです。

遠くからぼんやりと2人を眺めていると

     『お姉ちゃーん!』

2人がこちらへ走ってきました。

     『いつ来たの?』
     『早く声かけてくれればよかったのに』

2人の楽しそうな笑顔
それは昔と少しも変わっていませんでした

     『また遊びに来てね!』

「うん。またね。」
子どもたちは、
3人ではなくなったのかもしれません。


でも。


だからといって、
みんなで過ごした時間まで
無くなるわけではないのだと
そう、あらためて思いました。


「次の行先は、グランゼドーラに決まりかな」

私は村名物のおいしいパンをほおばりながら
そんなことを独りごちました。
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