アストルティアプリンセスコンテストの投稿作品のバックグラウンドストーリーです
(※上記の写真で応募しました。差し替えるかもですけどw)
あたしが冒険者になって3年半。
少しでも強くなる為にレベルを上げて。良い装備買う為にお金を稼いで。
強い敵と戦って。勇者の盟友として世界の平和を守って。時に笑って時に泣いて。
冒険者の旅路は、スリルとサスペンスに満ち溢れた、とても魅力的な日々でした。
けど、少し疲れちゃったのも事実。
ある日、ふとした出来事で頭をよぎった思い。
それは、『 平和な町で、ゆったりとした時間を過ごして、幸せを噛みしめてみたい 』 という事。
そんな事を彼に話したのは、半年前。
冒険者としての旅路の途中で出会った、彼。
一番信頼できる人であり、一番の理解者でもあり、ライバルでもあり、そして、大好きな人。
そしたらね。彼は、こう言ってくれたの。
『 結婚しよう。 お前がそう言うなら、冒険者やめて、一緒に新しい生活をスタートさせよう 』
冒険バカだった彼がこんな事を自分から言うなんて。
ちょっとビックリしたけど。でも嬉しかった。迷うことなく剣を置く事が出来たのは彼のお陰。
思い返すと、彼との旅路は危険との隣合わせの日々。
真っ直ぐだけど、少し無謀な所のあった彼に振り回されることもしばしば。
とてつもない強いボスに挑戦して絶望を味わされたり。
即死呪文で突然の死の世界に誘われたり。
強敵エリアに迷い込んで、悪魔に襲われて腕を斬り落とされたり。
一生残る傷を体につけられたり。
…思い出したら少しイラっとしちゃったw
でもそんな時、彼が言ってくれた約束が一つだけあったの。
『 冒険者の間は、苦労をかけるから。引退した後の生活は、お前の好きなようにしていいからな。 』
覚えてるからね。この約束w
そして結婚を機に、冒険者を引退した彼とあたしの新生活。
新しい次の夢は、迷うことなく街の小さなケーキ屋さんを選びました。
小さいころの夢だったの。ケーキ屋さん。
店内の装飾は、あたしの趣味で、超甘口の味付けにw
少し彼はあきれ顔。でも良いでしょ。あの日の約束だから。好きにやらせてねw
二人で見てきた、数多くの悲しみと絶望。
これからは、希望だけ見るの。小さいけど暖かみのある、甘いケーキ屋さんで。
今日は開店前夜。ショーケースの中には手間暇かけて作りあげたタワー型のケーキ。
カウンターには沢山の苺の乗ったショートケーキを一面に並べるのが夢だったの。
お店の外まで香り出すような、甘い香り。
心なしか、お菓子好きのプクリポさん達の声が聞こえてくるよう。
幸せのケーキ屋さん。
明日開店です。 (。◠‿◠。✿)
~Fin~
※尚、脳内彼氏の模様。