最近、シュピの甘えが酷くなってきている気がする。
いつの間にかご飯を三食作らされるようになったばかりか、掃除洗濯まで押し付けられかけている。
私も私で、ガツンと言ってやろうとはするものの、最終的にシュピのえへへ笑いの前に折れてしまう。
まったく、情けない保護者だと我ながら思う。
今日も休日なのだが、家事に追われる1日となった。
朝食を終え、まずは洗濯から取り掛かった。
森の天気はすぐに変わるから、晴れているうちに洗って干してしまう方が良い。
私は洗濯物が溜まりに溜まった大籠をひきずりながら、家の近くの小川へ向かった。
量もさることながら、汚れも相当なものだ。
私は日々魔物と戦っているため、衣類が泥や返り血に塗れるのは当然だが、シュピのもそれに負けないくらい汚染していた。
私は顔をしかめながら、衣類を小川の水にひたして揉み洗いをしていった。
時間をかけて全て洗い終わると、今度はそれを庭の物干し竿まで持っていかなければならない。
水を吸った衣類は先程よりも何倍も重く、とても一人で運べたものではない。引きずる事すら困難だった。
仕方が無いので大声でシュピを呼び、手伝ってもらう事にした。
「わたし、(戦士に?)むいてるかもねー。」
大籠を軽々とひきずりながら、シュピは得意気に言った。
洗濯物を干し終えると、次は掃除。まずはダイニングからだ。
私は普段はそこまで汚れを気にする方ではないが、改めて観察してみると、よくもまぁここまで汚せたものだと思った。
テーブルの上には食べカスや何かの汁がべっとりとこびり付いていた。
床の上も同様で、こんな所を歩いていたのかと思うと鳥肌が立ってきた。
私は床板がはげるぐらい入念にこすり、なんとか以前の状態を取り戻す事が出来た。
次はキッチンだ。
最近は主に私が使用しているため、大きな汚れは見られなかった。
しかし食器がやけに足りない。不思議に思って食器棚の奥のほうを探ってみると、割れたお皿が何枚も見つかった。
それを持って、ごろごろしているシュピをにこやかに見据えると、
「て、てつだうー。」
そう言って慌てて飛び起き、とてとて走って風呂場に入っていった。
――ズデーン。
途端、響き渡る地響き。
私は溜息をついて、転がっているシュピを起こし寝床に戻した。
まったく、動かれると仕事がどんどん増えてしまう。
そうこうしている間にお昼になった。
休日は料理特訓の絶好の機会なのだが、今日は掃除がメインのため、簡単に作れて腹持ちが良いスタミナライスを選択した。
せっかく掃除したダイニングを汚されないよう、シュピにエプロンをつけて食べさせる。
味の方は、特に失敗もせず仕上がったが、以前にシュピが作ってくれたものはご飯にパサパサ感が出ていてとても美味しかった。
私のはどうもご飯に粘り気があって、「味のついたご飯」と言った感じがした。
調理にしろ掃除にしろもっとコツを聞いておけばよかったなと、スタミナライスにがっつくシュピの無邪気な笑顔を見て後悔した。