ごんざれすの冒険日誌

ふっ、と別作品だけどさFがふたつの超人気作品あるじゃん？
のブログの書籍化した奴買ったのよ

光のお父さん

本を読むのもさ体力使うからさー
まださんぶんのいちって塩梅だろうけど

こうねー
書かずにいられなくなっちまって

お父さんねー
少し前に亡くなってしまってねー
末期ガンでさー
あちこち転移しててどうしようもなかったんだけどさー
危篤になった日の朝もさー
俺、お父さんとは口きかなかったのよ

もともとね
親子仲はうまくいってなかったよ
俺の覚えてるお父さんってさ
いつも怒鳴っててさ
家にいれば怒るか酒呑むかなんかのテレビみてるかだった
晩御飯の時とかさ
家族の会話できないのよ
うるせえ！テレビが聞こえねえぞ！って
そんなこんなでさ
10代の頃なんて本当にゴミみたいに思ってたのよね
20すぎて少し持ち直して
父母俺で夏は山にドライブとかさよく行ったのよ
楽しかったのよー
記念写真とかさ写るの嫌いな俺がいい顔してるし

定年退職してからは体もボロボロだったのだろうけどほとんど家にこもっててさー
酒タバコもやめて口さみしいからか飴ちゃんばっかり食べてたなー

んでね

危篤になった日の朝ね
俺機嫌悪くてさ
いってきますとは言ったけどさ
顔も見ないで
言葉を叩きつけて
バーって出てったのよ
いってらっしゃいって言ったと思うけど
それも聞きたくなかったと思う

いつも通りに仕事しててさ
休憩時間にメールチェックしたら
お母さんから危篤で今夜がヤマだってきてて
あわてて早退してさ
病院いったら
もう意識なくってさ
そのまま夜中に

俺はさー独身でさー子供も当然いやしないし
ここ数年でさ
体にガタがきだしてからさ

思うのよ

お父さんは仕事頑張ってさ
家に帰れば息子にゴミ扱いされてさ
どんな気持ちだったのかな

ってさ
こぼれたミルクは皿には戻らないからさ
時間は逆回りしないし
ゲームと違って人は死んだらおしまいだし

ろくすっぽ親孝行もできないで逝かせてしまって

本当に