■2章 家を作れなくなった主催者
こうして、すべての作品を1つの壮大な物語でつなぐ乗り物イベントの構想が動き始めました
当初は、私自身もハウジンガーとして参加する予定でした
しかし、職場でトラブルが連発し、ハウジングに使える時間を確保することが難しくなります
もともと制作速度が遅いこともあり、このままでは間に合わないと判断した私は、自らの出展を諦めることにしました
自分が家を作らないのであれば、主催も降りた方がいいのではないか
サーマハイドさんは、これまでに何度も見学イベントを主催しているし、乗り物というテーマ自体にも魅力があります
私がいなくてもイベントは成立すると考えました
しかし、お二人から返ってきたのは『主催は残ってほしい』『一緒にやりましょう』という言葉でした
ならば、私は主催に専念しよう
最後は皆で楽しく『大成功だったね』と笑い合えるよう、責任を持ってこの企画を完遂しよう
方向性が決まった私達は、一緒にイベントを作るメンバーを集め始めました
エリリンさんから紹介してもらった乗り物ハウジングに造詣の深い人に加え、情緒的な表現を得意とする人、空間演出や伝え方の上手い人
こうして、それぞれ違う強みを持つ人達が集まっていきました
しかし、どうやって1つのストーリーを作るのか
その中で、それぞれの乗り物をどう魅せるのか
まだまだ課題は山積していました

■3章 正解のない企画会議
さて、メンバーは集まりました
私が主催するイベントでは、できるだけみんなで考え、みんなで作ることを大切にしています
今回はXを使っていないメンバーもいたため、サブキャラクター同士で専用チームを結成し、チーム掲示板で議論を進めました
複数の議題を並行して進められる掲示板は思いの外、便利でした
メンバーが揃ったのは4月末
本番は8月ですが、7月にはそれぞれハウジング制作に入ってもらいたい
そこで6月末までを話し合いの期間とし、ゴールから逆算して、週にひとつずつ議題を進めることにしました
とは言え、もちろん予定どおりには進むワケがありません
話し合えば新しい案が出て、必要な議題も、その順番も変わります
そのたびにスケジュールを組み直し、気がつけば、
イベント終了までに立てたスレッドは約30にも及びました
様々なことをメンバーと決めていきましたが、判断に迷った際の基準は一つでした
それは、『メンバーが楽しく参加できること』
楽しくなければ、ゲームではないですからね
そんな中、
この企画における大きな分岐点がやってきました
『乗り物にはストーリーがある』
人の想いを乗せて走る
そんな乗り物の魅力を最大限に伝えるため、私達は全ての作品をつなぎ、映画のような1つの物語として見せようと考えていました
ところが、具体的な内容を詰めていくにつれ、掲示板への返信や意見が少しずつ減っていきます
私自身も、この方向で本当にいいのか、どこか行き詰まりを感じていました
ちょうどその頃、決起集会を企画していたので、ゲーム内で集まり、お互いがこれまでに作ってきた乗り物ハウジングを巡ることにしました
実際に作品を見て回ると、それぞれの乗り物には、
それぞれ違った魅力があることに気付かされます
これを1本の物語へ収めることにこだわれば、かえって個々の魅力を薄めてしまうのではないか
だったら、1本につなぐことに、こだわる必要はない
私は、全ての作品を1本の物語でつなぐ構想をやめ、それぞれの物語と乗り物ハウジングを主役にした
『オムニバス形式』へ変更することを決めました
数か月かけて考えてきた企画の、大きな方向転換でした
しかし、テーマで括ったストーリーハウジングの見学会は、既に各地で行われています
このままいくか、いや、折角ならもっと多くの人達に見てもらえるイベントにできないか…
私達は、再び考えることになりました