2重根号とは,根号の中に根号がある式のことである。
a≧0 , b≧0のとき、
√{a+b+2√(ab)}=√{(√a+√b)^2}=√a+√bが成り立つ。
また,a≧b≧0のとき,
√{a+b-2√(ab)}=√{(√a-√b)^2}=√a-√bが成り立つ。
√(5-2√6)=√2-√3は誤り。なぜならば,√の値(左辺)が
負になることはないため。√(5-2√6)=√3-√2が正解。
2重根号を外した値を答える際は,常に
√a±√b(a≧b)と答える習慣をつけるとよい。
例題10: √(14+2√45)の2乗根号を外せ。
√(14+2√45)=√{(5+9)+2√(5・9)}=√9+√5=3+√5
練習問題10: 次の2重根号を外せ。
(1) √(10+2√21)
(2) √(6-2√5)
(3) √(9+√72)
(4) √(19-√192)
(5) √(28-14√3)
(6) √(11+3√8)
(7) √(6+√35)
(8) {√(√3-1)}/{√(√3+1)}
おまけ問題: 根号の中に2重根号がある式を3重根号という。
次の3重根号を外せ。
(1) √{9-2√(11+2√10)}
(2) √{4-√(7+4√3)}
※ヒント:√の中の2重根号を外すと2重根号になるので、
その2重根号をさらに外す。つまり、2重根号を2回外せば良い。
練習問題10: 解答
(1) √(10+2√21)=√7+√3
(2) √(6-2√5)=√5-√1=√5-1
(3) √(9+√72)=√(9+2√18)=√6+√3
(4) √(19-√192)=√(19-2√48)=√16-√3=4-√3
(5) √(28-14√3)=√(28-2√147)=√21-√7
(6) √(11+3√8)=√(11+2√18)=√9+√2=3+√2
(7) √(6+√35)=√{2(6+√35)/2}={√(12+2√35)}/√2=(√7+√5)/√2=(√14+√10)/2
(8) {√(√3-1)}/{√(√3+1)}=√{(√3-1)/(√3+1)}
=√[{(√3-1)^2}/{(√3+1)(√3-1)}]
=√[{(√3-1)^2}/2]=[√{(√3-1)^2}]/√2
=(√3-1)/√2=(√6-√2)/2
おまけ問題: 解答
(1) √{9-2√(11+2√10)}=√{9-2(√10+1)}=√(7-2√10)=√5-√2
(2) √{4-√(7+4√3)}=√{4-√(7+√48)}=√{4-√(7+2√12)}
=√{4-(√4+√3)}=√{4-(2+√3)}=√(2-√3)=√{2(2-√3)/2}
=√{(4-2√3)/2}={√(4-2√3)}/√2=(√3-√1)/√2
=(√6-√2)/2
パート8はこれにて終了です。お疲れ様でした。
「数学Ⅰ パート9」でも実数について教えます。(この続きから)
パート8に関して,何か質問などあれば気軽におききください。