ザラターンの冒険日誌

己の新たな戦い方に見合った剛剣を
探す旅に出た　おれだったが…


思えば数年前、六大陸の
主要な国々の武器庫なら
見て回っていた事を思い出した。


再び回ってもおそらく
新たな発見は難しいだろう。


となると…


思案するまでもなく
次なる行く先が思い浮かぶ。

そして幸か不幸か。
そこからは、強力な武器の気配が　
ふんぷん　なのであった。


『　魔界か…　』



☆　　　☆　　　☆ ☆　　　☆　　　☆


おれが　まず向かった先は、
魔界最大の軍事国家バルディスタ。

探さなくても
凶悪な武器がゴロゴロしてそうだ。


「　よォ兄弟…
　　お前さん、キレッキレの
　　カラーリングセンスだなオイ　」


『　こっちも　あんたが
　　他人のような
　　気がしないんだが。　』


「　一杯やるかい　」



☆　　　☆　　　☆ ☆　　　☆　　　☆

偶然出会った、
うさんくさい男の情報によれば…


この国の武器庫には、魔族用よりも、
魔物用の武器の方が
多く納められているらしい。


例えば、写真にある
赤熱の刃とも言うべき色合いの、
大振りの曲剣。

どこかで見たことがあると思ったら、
これはアッシュリザードが
好んで使うものだ。

他に、カバ系魔物が使う
両刃斧を見受けることもできた。

ヒトでも魔物でも関係なく、
強者こそが正義。
この国らしい品揃えである。

さて、
魔族の装備品で目に付いたのは、
やはり兵士達の漆黒の鎧だ。


闇騎士、大戦鬼のよろいなどの
パーツを扱った物が主流だが、
中には、ティアの住民が
滅多なことでに目にする機会のない、
幻の甲冑…

法を司る神々の御手…
ＧＭと呼ばれる存在が着用する鎧を
着ている者等もいた。


(゜ロ)＜　入手経路が気になる。　


次に、魔族の武器と言えば、
この国の魔王たるヴァレリアの、
流麗な装飾の大矛が有名だが…

彼女は普段から
あれを持ち歩いている訳ではなく、
有事の際、突如その手に
出現させているようである。

あれは、どこかに置いてある物を
魔力で召喚しているのか、
それとも、氷の魔力を結集し、
一瞬にして作り上げるのか…

どちらにせよ、おれが真似できる
芸当ではなさそうだ。


その他、上級兵達は
竜の角や、鱗などを素材に使用した
武器を愛用しているようだ。

恐らく、狩った獲物の素材製の
武具を身に纏う事により、
自らの力を誇示する目的もあるのだろう。


(゜ロ)＜　レア素材が出なくて
　　　　周回とかするんか…←？


が、それらの武具は無骨すぎ、
もはや鞘に収めるという次元ですらない。

この国の武具は、おれの目方には
ややワイルドに過ぎたようだ。



☆　　　☆　　　☆ ☆　　　☆　　　☆


次に向かったのは
魔界の中でも特に気位の高い者達が住む
悪意の都、ゼクレス。


衛兵や近衛騎士等の格好を見るに、
天宮騎士のよろいや、
神兵のよろいのパーツなどを
兵装として採用しているようだ。


魔界、それも悪意の都を守護する者達が
「天宮」だの「神兵」だのを
好んでいるとは皮肉なものである。

…我々が、悪魔や魔王だとかに
妖しい魅力を感じてしまうのと、
似たようなモノなのかもしれない。


(゜ロ)＜　つまり…
　　　　厨二病（LAW）。



さて、肝心の武器庫だが…


「　ああっ！これは幻の！
　　ヒストリカうちわ
　　じゃないかっ！！　」


六大陸堂の店主に、
少しばかり珍しい土産物を手渡すと、
笑顔で城の地下へと案内してくれた。



武器庫と言うより、ここは　さながら
【　博物館　】と言った風貌。

武器は１つ１つが丁寧にラッピングされ、
まるで展示品である。

武器としての威力より、
芸術品的な価値の方に
関心が行ってしまいそうだ。


(；゜ロ)＜　いい仕事
　　　　　　してますねぇ！？


…写真に収めたのは、
水晶のように澄んだ色の、
三叉矛と…一対の剣である。

とりわけ気になったのは、剣の方。

恐らく、二振りの柄を繋げたり、
或いは分離させたりして戦うタイプの
珍しい双剣だ。

デュラン等が扱っている系統の武器か。

刀身に宝石めいた物がはまっているが、
これは間違いなくマテリ…いや、
魔力を帯びた石だろう。

その効果の想像は付かないが、
華奢な見た目以上の『何か』を感じさせる
一振り（二振り？）であった。


(゜ロ)＜　どの道　おれには
　　　　　使いこなせんな…


ま、もし使えたとしても、
どうせ購入には、目が飛び出るような
金額を提示されたりしそうだがｗ


さて、お次はファラザードに
向かいたいところだが…


(゜ロ)＜　ここで
　　　　文字数制限のようです。




～～つづく～～