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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 133

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ザラターンの冒険日誌

2020-11-21 17:45:42.0 2020-11-21 18:59:34.0テーマ:レベル上げ

踊る甲冑①

『 ふむゥン。悪くない…
  いや悪くないよ、ザラターン君。 』


しにがみきぞく・強が
優雅に語りかけてくる。
彼は今、手にした槍で鋭い突きを
連続で繰り出していて、
おれはそれを必死に いなしていた。


『 そいつは、どうも!ふぅッ! 』


荒い息をつきながら、
言葉を返す。更に続く、剣戟。


戦闘は冒険者の常。
常ではあるのだが…

この会話自体が、
場に異様な空気をもたらしていた。


そう、おれは今、
死霊と会話しているのだ。


所轄、ゾンビ系として
括られている魔物達は普通、
何者かに魔力で操られていて
自我を持たないか、

あるいは生前に残した強烈な怨念や
悲しみ、怒り等の念に呪縛されるせいで、
会話が成立しない事が多いのだが…


だが眼前の死霊は普通に喋っている。
しかも貴族と言うだけあって、
物腰が優雅。
そして その事実がまた、
この空気に拍車をかけていた。


どうする。


状況にまだ頭がついて行かなくて、
おれは混乱しかけていた。

ここは落ち着いて 
いったん情報を整理…

刹那。槍の穂先が、
我が頬の数ミリ横を通り過ぎた。
背筋が凍る間も無く、
そのまま二撃、三撃…!


いかん、集中しなくては。
こちらが死霊に成りかねん。

おれは慌てて大盾を振りかざし、
構えをとった。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


彼との出会いは、ほんの数時間前。


おれが いつものように、
ネクロデア領の跡地にて、
墓荒らしよろしく
キラキラを拾い歩いていると…


『 お~い、そこの! 』


何処からともなく、
呼び声が聞こえてきたのである。

他の冒険者とすれ違うのは
よくある事。
だが辺りを見回しても、
人影は見あたらない。

しかし姿は見えねど、
声は更に続く。


『 そこの貴殿だよ! 』


目を皿にして
声のした方を凝視してみるが…
そこには、デスフラッターが
一羽居ただけで…


って…!?


おれは、その烏が足蹴にしている
髑髏に、異様な違和感を覚えた。

いつものドクロじゃあ、無い。

そのドクロは、
見事にカールした頭髪の上に、
ノーブルハットを被っていたのである。

そしてその双貌が
ほんのり赤く光り…
口はカタカタと音を鳴らす。


『 手を貸しては貰えんか 』


思いきり目が合ってしまった。
間違いない、あのドクロが喋っているのだ。


無視するのもはばかられたので、
ひとまず おれは剣を抜き、
魔性の烏を追い払う事にしたのである。



☆   ☆   ☆


戦闘後程なくして。
首のない貴族の亡骸を乗せた馬が、
パカポコと歩み寄ってきた。

首のない死霊は颯爽と馬を飛び下りると、
例のドクロを拾い上げて小脇に抱え、
ポケットから取り出した
ハンカチーフで悠々と埃を拭い、
そして丁寧に首の上に設置したのだった。


『 やあ、恩に着るよ。 』


その異様な光景をおれは、
いろんな物が半開きになった顔で
数秒、ただ見つめていた。


☆   ☆   ☆


『 生前の名など忘れて久しいが…
  そうだな、デッドリー男爵、とでも
  呼んでくれたまえ。 』


彼はそう名乗った。

彼は生前ネクロデアの騎士で、
かつての戦争にて命を落とした。

そして憎しみに捕らわれ
魔物となって黄泉還り、
亡者としてこの地を
彷徨いていたそうだが…

つい最近、この地に
降り注いでいた灰の雨が止んだ日、
自我を取り戻したのだそうだ。

恐らくは、憎しみを作り出した元凶が
滅びたからだろう、と彼は語る。


『 気が付けば、私は立派な 
  しにがみきぞく・強になっていた
  という訳さ、ハハハ! 』


ドクロの顔がカタカタと揺れる。

笑っていいのか、それ…と
思いながらも、
どういう顔をしていいか分からず、
おれもきっと、
苦笑いを浮かべていたのだろう。
構わず、男爵は続けた。


『 私も近いうち、
  成仏する事になるとは思うが… 

  先の魔烏との戦い方を観るに、
  貴殿も騎士の修行を
  積んでいるようだね? 』


おれは目を見開く。


『 たったあれだけの動作で
  よく分かりましたな 』


私も騎士の端くれだからね、と
男爵は笑う。そしてー…


『これも何かの縁だ。
 どうだろう、去りゆく前に
 一手、御手合わせ願えんかな。
 もしかしたら、騎士として
 遺せる事も有るかもしれん。』
 

その言葉に、おれは強い興味を覚えた。 
何か、大きな物を
得ることができるかもしれない。


『 是非に。一手御教授、願います 』


『 グッド、良い返事だ。 』


というわけで、奇妙な修行が
始まったという訳なのである。


~~つづく~~
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