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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 133

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ザラターンの冒険日誌

2024-09-14 22:03:50.0 2024-09-15 09:28:53.0テーマ:その他

砂の記憶(1)(ver7.0範囲までのネタバレ注意)

レンダーシア大陸。
見渡す限りの砂と岩の大地に、
容赦の無い熱風が吹き抜ける。

照りつける太陽が灼ける砂に反射して、
高く高く…天を衝かんばかりにそびえ立つ
巨塔…『不思議な魔塔』を今日も照らす。

その塔の麓の大きなオアシスに、
ここ『アラハギーロ王国』は在った。


☆   ☆ ☆   ☆   ☆


灼熱のこの大地。

だが、空気が乾燥していることもあり、
一度日光の当たらぬ場所に行けば
意外なほどの気温差を感じたりもする。

例えば…今おれ達の居る、
街の片隅に構えられた この地下倉庫は、
かなり涼しかったり。

その涼しさを利用して、この国の特産品である
シャイニーメロンの
貯蔵などにも使われているようだ。

いやー、生活の知恵ってヤツだね。


『 …で?
  その涼しげなメロン倉庫で…


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 なんで僕達は
  『惨劇』に見舞われようとしてんだ。

『 ……


…おれの名は『ザラターン』。
オーガのしがない冒険者。


『 おい鬼、聞いてんのか?


そして、おれを鬼と呼ぶ 
この仏頂面のエルフ系魔族の名は
『ツキモリ』。
まあ、腐れ縁の旅の相棒ってやつだ。


『 …地下倉庫のメロンを運び出して
  キャラバンに引き渡し、そのままその隊商を
  『エテーネ王国』まで護衛。
  そいつが今回のクエストのはずなんだが…!


…言い終わるが早いか、おれの頭上目掛けて、
鋼鉄製の『トゲ付きハンマー』が振り下ろされる!

慌てて跳び退くと、そのハンマーは
当然のように、おれの居た場所の床に、
轟音と共にヒビを入れた。
いやはや、涼しいなんてもんじゃ無いぞ、
この倉庫!


『 それはもう聞いた!
  要は なんでその倉庫に…!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 こんな物騒な警備マシンが居て、
  僕達に襲いかかって くんだって
  聞いてんだよッ!!

『 さぁなあ…!
  おれが聞きたいよッ!


ツキモリが、憤慨しながら機械兵に
火球の呪文を飛ばす。

放たれた火球を機械兵は、
ハンマーと逆の腕に装着した、
同じく鋼鉄製の剛剣で 事もなく両断した。

奴はそのまま、上半身を高速で
グルグル回転させながら
こちらに迫ってくる。

下がるツキモリと入れ替わりで
おれは前進し、守りの力を付与した盾で
攻撃を受け止めた。
そのまま腕に力を込め続ける。


『 それにコイツは…!
  たぶん警備マシンじゃあ…無いッ!!
  たしか、最新鋭の『お掃除マシン』…
  【白式】だッ!!

  理由は知らんが…!
  なんか暴走してるようだなッ!つおおッ!!


盾をはめた腕を振り抜いて、
ようやく斬撃をいなす。

が、息つく暇も無く。
白式は次々と、多彩な攻撃を繰り出してきた。
おれ達は必死に応戦する。

  
『 は、はあ!?
  お掃除マシンだッ!?!?
  ヘタなジア・クトより強えじゃねーか!

  なんでお掃除マシンに剣とハンマー着けるんだ!  馬鹿なのか?
  アストルティアの奴は皆、馬鹿なのかッ!?

『 アラハギーロ王国の謎の技術力は、
  かねてから冒険者達の間でも話題に…
『 知らねぇよ!
  おい、なんか黄金の光を纏ってるぞ!

『 あれは…!
  お掃除マシン白式、
  【ハイパーモード】!!

『 だからなんで お掃除マシンに
  ハイパーモードとか付けてんだよォォ!
  馬鹿だろ!絶対馬鹿だろ!!
  お掃除する対象間違ってんだろッ!!

『 あっ、お掃除って そういう…?
『 今更関心してんじゃねーよ!
『 まずい来るぞ!!




『『 ぎぃぃやあああッッ!! 』』



…かくして、砂漠の国のメロン倉庫に、
爆音と、野郎二人の絶叫が響き渡ったのだった。



☆  ☆ ☆   ☆   ☆


『 そ、それはお疲れ様だったね…!?


アラハギーロの街外れ。
ドタバタと ひと騒動終えた頃には、
日はどっぷりと暮れていた。

引き気味で 労いの言葉をくれた
このウェディの名は『エスタータ』。
彼女もまた、おれ達の旅の仲間。

吟遊詩人である彼女は、二人が地下で
バタバタしている間、路銀稼ぎがてら、
広場で興行に勤しんでいたようだ。


『 ったく…死を覚悟したぜ…
  廃棄にしちまえ、あんなの。

『 でもでも、補償もろもろは頂けたんでしょ!
  結果オーライじゃん?


割に合わねえ、と愚痴る魔族を尻目に、
おれは頷いた。
ま、冒険にトラブルはつきものだ。
皆無事だし、良しとしよう。


『 しっかし、砂漠の夜は冷えるな…
  よし、なんか食いに行こうぜ。

『 おーいいねー♪
  ファラフェルくいたい!

『 何だ、それ…?


~つづく~
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