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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 133

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ザラターンの冒険日誌

2024-11-16 22:54:15.0 2024-11-17 00:36:44.0テーマ:その他

砂の記憶(9)(ver7.0までのネタバレ注意)

『 外の世界、かぁ…

 
次第に瞳に光が灯り始めた錬金術師。
おれは笑顔のまま、
中央広場の方に視線を向けた。


『 ああ、それにー…


晴れ渡る空の下、
メレアーデ王女の演説は続いている。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 …今日の この式典だって。

  エテーネ王国を、世界に向けて
  開かれた国にする為の第一歩、なんだろ?

  たとえ何もしなくったって、
  これからはきっと、世界の方から
  色んなモノがこの国に
  流れ込んでくるぞ。


おれみたいなのが、ここに居るのがその証拠だ、
と、胸をドンと叩いてみせると、
アレナは一瞬きょとんとしたあと、
声を上げて笑ったのだった。


『 …そうですね!

  その為にメレアーデ様は…
  いいえ、私達はー…

  王権の象徴である
  『時見の鍵』を、慰霊碑の下に埋めて…
  指針書に頼らない国を
  目指す事に決めたんです。

  うつろい行く この時代で…
  強く、生きてゆく為に。


…アレナは、静かに広場から視線を戻すと、
手を固く結んで、改めてこちらに向き直った。
その顔は、先程と打って変わって、
決意に満ちていた。


『 エテーネの外の世界へ…
  い、いつか私も、出てみたい…!
  と、今!…思いました。

  今はまだ、飛び出す勇気は持てそうにないけど…  でも、いつかー…
  色んな錬金術や、景色を。
  この目で見てみたい…!


『 おお…そうか!


光の灯った錬金術師の瞳は、なんというか…
これから始まる大冒険に想いを馳せる、
駆け出しの冒険者の それに 
よく似ている気がした。

なんだか それが、すごく嬉しくて、
おれは頬が緩んだまま
何度も うんうん、と頷いていた、


『 ゆっくり考えるといいさ。
  
  おれも、この国に寄ったら
  君の工房に顔を出すようにするから、
  冒険者として できる事が もしあれば、
  何でも言ってくれ。

  きっと力に なれると思う。

  ま、逆に こっちが錬金術のお世話に
  なるかもしれないが…

『 本当ですか!?
  ありがとうございますっ!

  あっ…でも、じゃあ…


『 うん?


『 地図に、印を付けておかないと。

  ザラターンさんが、次来た時に、
  迷わないように!

『 あっはっは!そりゃ参った!
  そうだな、助かる!
  

アレナから、工房の位置にX印を付けられた
街の地図を、改めて受け取る。


『 X印か…まるで 
  『お宝の地図』みたいだな。
  迷宮の街の…お宝の地図。

『 迷宮…!ふふ、まだ言ってる!ぷぷっ!


どうやら迷宮という言葉がツボに入ったらしき
錬金術師を尻目に、
地図を丁寧に折り畳んで、
鞄にしまっていると…

何やら広場の方から、喝采が響いてくる。
どうやら、式典も たけなわらしい。


『 私たちが共に手を取り合い 歩む未来が…
  輝かしいもので ありますように!

  我らが故郷、アストルティアに栄光あれ!


はっきりと ここまで響いてくる
メレアーデ王女の気合いの入った締めの言葉と、
聴衆達の大喝采。

どうやら、今回の お披露目式典は
大成功に終わりそうだ。


( おれも何だかんだ、この国でも
  数奇な縁に恵まれたな。
  迷子だって捨てたもんじゃない。


…そんな事を思いながら、なんとなく…
アレナに貰った小さな砂時計を
目を細めて空に透かしてみる。

陽の光を反射しながら
キラキラと流れ落ちる砂は、
まるで星屑を砕いたように見えた。


しかし…次の瞬間。



流れ落ちていた砂が…ふと、
『 止まった 』気がした。




☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆












☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆





…全ては、一瞬の出来事だった。





☆    ☆   ☆ ☆   ☆   ☆




( あれ…?


  んん?おれ……今……



  『誰と話してた』んだっけ……?




~つづく~
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