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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 136

ライブカメラ画像

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ザラターンの冒険日誌

2025-10-11 22:37:37.0 2025-10-13 00:03:07.0テーマ:その他

ストレンジャーズ(23)(※ver7.1までのネタバレ注意)

アマラーク。宴の夜の熱気から逃れ、
涼と静寂を求めてやってきた、
街外れの小さな泉のほとり。

だがー…
着いて数分もしない内に、
その心地良い静寂は破られる事になった。

突如、凄い勢いで空を裂く音が
響いてきたからだ。


( …!殺気!?


反射的に腰の剣に手をかけて
音の方向に身構えると、今まさに空中から
襲いかからんと跳躍してくる黒い影!


( いや違う、これは…!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


おれは いったん構えた剣から手を離し、
『拳』をもって影を迎え撃つ型を取った。

程なく。
空中から、全体重をもって
打ち下ろされる襲撃者の拳。
それを後ろに跳んで躱すと、おれはそのまま
地を蹴って、勢いに任せて反撃に出る!

『 ぬぉおッ!

だが、数歩踏みこんでの正拳は、
いとも簡単に打ち払われる。
そのまま攻守が入れ替わり、相手の乱打が始まった。しかし…

次々繰り出される相手の拳を、
おれはいなし、躱し…
右へ左へ、柳のように受け流してゆく。

( 右!左!右、右…!
  ここだ!

大振りの一撃を見極めて鼻先一寸で避け、
そのまま素早く相手の腕を捕らえて
背負い投げを食らわせる。

だが、相手は難なく受け身を取ると間髪入れず、
こちらの追撃許さぬ猛反撃に出てきた。


『『 おおおおッ!! 』』


かくして、加速してゆく乱打の応酬。
だがそのやり取りで、両者が傷つく事は無い。
何故ならば…


( 懐かしい。
  そう、これはー…
  ランガーオ式武術の『演舞』。


程なく、闘気を高め合った両者は距離を取り、
疾走からの渾身の跳び蹴りを交錯させる。


『『  はあーーーッ!! 』』


それが演舞終了の合図だった。



…両者の着地からしばらくして。


『 ふ…はははっ!


襲撃者は笑い声を上げながら歩み寄ってくる。
おれも笑顔で、それを迎えた。


『 腕を上げたじゃないかザラターン。
  正直、見違えたぞ。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 そりゃどうも。
  10年以上ぶりかな、
  『ジーガンフ』。


久々に会った幼馴染と、固い握手をかわす。
まあ元々、そんなに親密だったワケでも
ないのだが。


『 燈火の調査隊からの援軍が
  まさかお前だったとはな。
  水くさい、声くらいかけろ。

『 いやあ、悪い。
  ひと声かけようとは思ってたんだが…

  誰かさんは人気者らしく、
  いっつも人に囲まれてたから
  近寄り難くて…ね。
  
  しかし…ジーガンフが武術師範とは
  正直意外だったよ。
  そのおかげで おれもフーラズーラに 
  対抗できたから助かったけどな。


彼は村にいた頃から、
ストイックに己を鍛え上げる事には
余念の無い男だったがー…

逆に、人にモノを教えたりしていたのは
あまり見た事が無かったのだ。


『 己でもガラじゃあ無いのは
  解ってるんだが…
  まあ…色々あってな。
  苦労も絶えんが、なんとかやっている。


ジーガンフは、そう苦笑いした。
握った拳を遠い目で見つめるその瞳は、
おれの知っていた昔の彼とは
少し違って見えた。


『 ふふ、まあ10年以上、か。
  人も変わりもする…よな。

『 む…そういうお前はどうなんだ。
  相も変わらずフラフラと
  ほっつき歩いているのか?


したり顔で相槌をうつ おれが癪に触ったか。
ジーガンフは僅かに眉間に皺を寄せ、
人差し指をこちらに突き付けてくる。

いやはやまったく、酷い言われようだ。
まあ…別に間違いでもないのだが。


『 まあ、な。
  剣を捨てて真っ当に生きようか、
  なーんて考えた事も一度はあったが…
  ま、こっちにも…色々あってね。
  
  今では、とことんまで 
  『ほっつき歩いてみる』のも
  悪くないと思ってるよ。


…そう言って剣の鞘をポンと叩いた おれは多分、
今さっきのジーガンフと
似たような瞳をしていたのだろう。

目の前のもう一人のオーガは、そんなおれを見て
くくくと喉を鳴らすのだった。


『 …お前とは
  良い酒が飲めそうじゃないか。

『 酒、か。
  嫌いじゃあないが、
  呑むとすぐ眠くなるんだよなあ…

『 なんだ、つまらん奴だな。


『 …ふむ、なら『甘味』ならどうだ?

『『 !? 』』


突然、おれ達の会話に割り込んでくる声が響く。
なんだ?気配に全く気付かなかったが…

ジーガンフも一瞬身構えたようだが、
すぐに警戒を解いて息を吐く。
知り合いか…?


『 なんだ、『イルシーム』か。



~つづく~
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